猫額洞の日々

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2005年 12月 15日

「ちょっといい話」

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(戸板康二 文春文庫 82初)をなぜか昨夜 再読、「蠅」を中断して。

 一時期、「じじむさい本」と密かに呼ぶ種類の本に凝っていたが、これもその
類いだろうか。「粋人酔筆」シリーズとか、南部僑一郎「おとこ放談」とかいった
昭和30年代の軟派エッセイである。古本好きになると一度は辿る道であろう。
 今はそれほど熱中していないが、読めば気持よい。まだ暢気だった時代の空気が
味わえるから。

 TVなんぞで昭和30年代ブームと言われるけれど、本気かしら? もはや
十分に過去だが、そんなに古きよき時代だったっけ? ガチャガチャしていて
たしかに隙間の多い世の中ではあったろうが、「よき時代」と思うのはノスタルジー
であろう。いつだってオン・タイムに生きていれば、それなりの問題を感じる。
 それがアルカディアに思えるのは、当時を生きていなかったから、それが もう
取り戻せないほどの過去に属しているから、安心して追憶にひたれるのではないかと、
過去しか愛せない者は考える。

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by byogakudo | 2005-12-15 13:35 | 読書ノート | Comments(0)


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