2014年 05月 07日

ジェイムズ・マクルーア「スティーム・ピッグ」読了

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 アパルトヘイト下の南アフリカ共和国を舞台にしたジェイムズ・
マクルーアの警察小説、これが第一作。店で見つかるだけの
ジェイムズ・マクルーアを探して、原作発行年度順に縦に積み、
一冊ずつ読んでいこうという計画だ。(「スネーク・ダンサー」は
4作目だった。)

 いくらエンタテインメント、たんにミステリといっても、背景が背景
だし、作者はアパルトヘイトを拒否してイギリスに渡った人物だから、
どんなに抑えても告発調の「問題作」になりそうなところを、軽くさらっと、
でも、アパルトヘイト下の生活がどんな風であるかをきっちり伝えている
のが腕だろう。検閲をクリアする手法でもあるけれど。

 最後に明かされるタイトル「スティーム・ピッグ」の意味の残酷さが、
エンタテインメントの背後にある真実として強烈だ。なんにも表立った
アパルトヘイト批判の言葉を用いずに表現されているので、読者は
はっと気づかされる。

 ついつい糾弾口調、悪口雑言に傾きやすい、わたしの息の短さを反省。
悪口の腕を磨こうっと。

     (HPB 1977初 帯 VJ無)





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by byogakudo | 2014-05-07 21:24 | 読書ノート | Comments(0)


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