猫額洞の日々

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2014年 07月 02日

ローレンス・ブロック「墓場への切符」読了

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 「八百万の死にざま」の登場人物である感じのいいヒモ__
趣味がよくて話のわかるヒモ__であろうと思われる男のことが、
ちらと出てくる。

<近くの店までミルクを買いに行っているミルト・ジャクソンを
 欠いた、昔のモダン・ジャズ・クワルテット>(p336)
みたようなトリオが演奏しているナイトクラブの、
<客は黒人と白人が半々のようだった。そんな中にひとり私の知って
 いる男がいた。私と知り合ったとき、その男は娼婦のヒモをしていた
 のだが、その後いわゆる中年の危機というやつを乗り越えて、今は
 アフリカの美術品やアンティークのディーラーになり、アッパー・
 マディスン・アヴェニューに店を一軒構えている。その道でも彼は
 なかなかの成功を収めているといった噂を耳にしたとき、私は少しも
 驚かなかった。ヒモとしても彼は最高の部類だった。>(p337~338)
 
 野球シーズンも終わろうとする晩秋のニューヨーク、マット・スカダーは
相変わらずAAに顔を出し、探偵社の下請け仕事をする、いつもの日常で
あったところに、過去の悪縁が浮上する。
 かつて、娼婦、と限らず気に入らない人間を(人知れず)殺している男を、
マット・スカダーと娼婦の女友だちは罠にかけ、刑務所に送った。復讐鬼と
化した男が出所してきて、スカダーたちを襲う、という陰惨な話が静かに
語られる。
 マット・スカダー・シリーズもいいなあ。

     (二見文庫 1995初 J)





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by byogakudo | 2014-07-02 22:02 | 読書ノート | Comments(0)


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