猫額洞の日々

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2014年 07月 09日

マーク・プライヤー「古書店主」1/2

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 古本屋を止めちゃうと、夜寝る前に読む本の準備に追われるのだとは
考えていなかった。あの当時なら棚を見つくろって何やら持って帰れば
すんだものを、今では週に一、二度、仕入れ(!)に忙しい。
 大昔、毎日一冊ずつ文庫本を買ってはジャケットを剥がして読み、
読み終えたら国分寺書店のお刀自さまに恐る恐る引き取っていただいて
いたものだが、仕事を辞めて暇になったら大昔と同じことをしている。
ジャケットを外して捨てないようになっただけだ。いよいよ、図書館
デビューかしら?

 セーヌ河畔のブキニストが出てくるし、読みながらパリ街歩きも
できそうで選んでみたマーク・プライヤー「古書店主」だが、編集の
下手な映画を途中退席できない近頃の映画館で最初から見てるような、
焦れったさがある。本だから走り読みという手もあるけれど、ミステリ
なので読み落としても困るし、やっと半分まできた。

 近頃の背の高くなったハヤカワ文庫p9から物語が始まり、主人公(今は
駐仏アメリカ大使館外交保安部長、前身はFBI)はセーヌ河畔を歩きながら、
冬のセーヌに落ちたらどうなるか、他人に無関心なパリだから放っておかれる
だろうと、ふと思う。p10の頭から5行目くらいである。伏線にしたって早すぎ
ないかと、読み出して早々気になっていたら、第2章の終わり、p31で、彼が
親しくしているセーヌ河畔のブキニストの老人が拉致される。

 修羅場仕事から離れている主人公は、どうも反応が鈍い。それともじっくり
読ませて、最後に胸のすくような(? どんなことだろう?)大活躍をさせる
ための長期的伏線なのかしら。半分くらい読んだところでは作者の深謀遠慮を
予測できず、手際が悪いなあと思うだけである。

 助っ人に呼んだ元CIAの友人は、主人公宅で何かしてるのだろうか? 物語から
中途退席しているかのようだ。

 主人公が偶然(!)知り合った、一瞬、高級娼婦かと間違え、じつは社会派の
ジャーナリスト、さらにはヌイイ・シュル・セーヌの貴族の館に住む令嬢でもある
ヒロインとくると、もしやこれは男版シンデレラ・ストーリーか? テキサス男で
ある主人公の最初の妻は事故で死亡、離婚したばかりの二番目の妻はアメリカの
貴族階級である大金持ちの娘、そして大好きなパリで出会うのが本物の貴族の娘
である。物欲しげな男の出世ストーリーになるとは思わないけれど、あか抜けない
話だ。

 行方不明のブキニストから買った二冊の初版本の一冊が、「ポールへ」と
献辞が書かれた「ある地獄の季節」、なんて趣向(?)、気恥ずかしくない
のか、作者は?!

     (ハヤカワ文庫 2013初 J)

(07月10日に続く~)





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by byogakudo | 2014-07-09 21:41 | 読書ノート | Comments(0)


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