猫額洞の日々

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2014年 07月 14日

「新国立競技場」コンペティション

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 7月9日付け「東京新聞」朝刊1面によれば「新国立競技場」
国際コンペティション
の一次審査では、46作品が検討され、
英国在住のザハ・ハディド、オーストラリアのアラステル・レイ・
リチャードソン、妹島(せじま)和世の3作品が高評価を得た。

 二次審査で11作品に絞り、審査員はそれぞれ1~3位に推す
作品を投票する。

 リチャードソンは1位票・4票で最多。ハディドと妹島、3票
ずつで次点。
 この3作品に絞って再投票すると、ハディドが1位票・4票、
リチャードソンと妹島、3票ずつ。2位、3位票を含めた得票を
ポイント化すると、これらの3作品は、19点で並ぶ。

 外国人審査員、リチャード・ロジャース、ノーマン・フォスターは
会議には出席せず、事前説明を受けて二次審査の投票結果だけ提出
したが、一人が妹島、もう一人がハディドを推す。

 選考が難航したので、安藤忠雄がとりまとめを依頼された。
 安藤忠雄は、
<「この中ですと、圧倒的(に良い)」>と
リチャードソンかハディドに決めるよう提案。妹島作品を除外した
理由は示されていない。
<委員から「委員長の判断で」などと声が上がると、「日本の
 技術力のチャレンジ」として>ハディド案に即決。

 議論の中でハディド案の迫力が絶賛される一方、
<「神宮外苑の景観として異物が挿入された感は否めない」
 と景観面や、コスト面を問題視する意見が出た。スロープが
 首都高速やJRをまたぐなど、公募条件の建設範囲を逸脱して
 いることにも懸念が示された。>

 安藤忠雄は当初からハディド案を高く評価していた。
他の二作品に対しては、
<「(屋根のデザインが)技術的に難しい」
 「少し平凡な感じ」>と指摘。
ハディド案は、
<「(問題点があっても)強いコンセプトがあれば修正可能」
 「ものすごくシンボリックで、おもしろい」>と述べる。

 審査委員、岸井隆幸・日大教授は、
<「議論が強引に引き回されたことはない。一般論だが、議論を
 尽くして決まらない場合に、議長(委員長)がその役割を果たさ
 なければならないことはそれほど不自然ではない」>とメールで
回答した。

 ところでこの記事の右側にある<新国立競技場のデザインコンペ
と題された要約では、
<2012年7〜11月に行われ、46点が応募。1次審査で11点に絞り
 2次審査でザハ・ハディド>が選ばれた、とある。
 1次と2次の時系列がずれてるようだが、どういうことだろう?

 同日付け31面では、より具体的な議論の様子がわかる。

 日本スポーツ振興センター(JSC)の河野一郎・理事長は、
<「隣に(聖徳記念)絵画館がありますので、周辺についても
 考える必要がある」>
別の委員も、
<「絵画館の前からスタジアムがどう見えるのか歩いたが、
 (最終候補の)どの案を採用しても景観上は邪魔」>と意見が出た。
 
 ハディド案では首都高やJRとの調整が必要なので、想定工期内では
無理ではないか、と指摘された。
 最終的に短くされたスロープだが、この時は、
<「(スロープは)重要なコンセプトの一つ」
 「これを外すとこの提案はコンセプトが変わってしまう」と疑問の
 声が上がった。二本のアーチで全体を支える構造も「かなりコストは
 かかる懸念はある」と指摘された。>

 最終的に安藤忠雄がハディド案を選んだが、
<その直後、河野理事長は「いろいろ懸念が先に出てきてしまい、
 本来的にわれわれが意図しない方向に行ってしまうのは避けたい」
 と発言。選考結果の公表に「工夫が必要」と述べた。>
  これを受けて安藤忠雄も、
<「発表の仕方としては強いインパクトを持ってこれを推すんだと
 言わないと、(略)この委員会で少しでも揺れたことで、ネガティブに
 受け取られるのは本意ではありません」>と応じ、
<他の委員から異論はなかった。>


 今日、7月14日付け「東京新聞」朝刊1面に続報があった。

 公募条件は高さ70mなのに、ハディド案は80mで応募してきた。 
 審査前に公募条件に合っているか、実現可能生はどうか、という
全16項目の技術調査が実施されたがハディド案は、
<「高さが規定を越えている。設計段階で重大な調整が必要」>
と指摘されている。
 安藤忠雄は、
<「高さは十メートル高い。そういう問題も含めてチェック事項は
 たくさんあります」としながらも>、彼女に
<了承を得た上で、事後に修正すれば良いとされた。>

 応募作品46点中、技術調査の最高評価は、伊東豊雄。
<「○△×」の三段階評価で全十六項目が「○」だったが、
 二次審査で落選した。>
 ハディド案は、
<「○」と「△」が八項目ずつだった。>

<募集要項では「要項に違反するもの」は審査対象から除外し
 入賞後でも取り消すことがある、としている。>

 もっと早くすべての情報を公開すべきだろう。税金を使う行為
であり、風景を殺しかねない行為なのだから。





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by byogakudo | 2014-07-14 17:13 | 雑録 | Comments(1)
Commented by saheizi-inokori at 2014-07-14 23:08
私も読みました。
奇々怪々、何か安藤さんありそうですね。


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