2014年 07月 20日

ローレンス・ブロック「怪盗タナーは眠らない」読了

e0030187_22382155.jpg










 写真は近くの善福寺川で。「おっと、失礼!」と言いながら
カモの群の中を走り抜けてきたサギ、だそうです。Sによれば。
 残念ながら今は一緒に歩きまわる体力がない。近所の量販店
往復だけでヘタばってるようでは、大川は遥か彼方。

 1960年代、スパイ・アクションやスパイ・ミステリ花盛りの頃
書かれた「怪盗タナーは眠らない」、ローレンス・ブロック28歳
くらいである。昔っから巧い作家だったのね。

 朝鮮戦争で頭に銃弾のかけらが入り、睡眠中枢が破壊されて以来、
眠らずに生きて行ける体質になったしまったアメリカ人、エヴァン・
マイクル・タナーの冒険、とだけ聞くと立派なおバカ・ミステリだが、
おバカな設定に発する突拍子もない冒険活劇が抑制されたタッチで
書かれているので、読後感はちっともおバカではない。格調高く、って
わけでもないけれど。

 朝鮮戦争時は18歳。不要な睡眠時間を外国語や各種の知識獲得に
費やし、現在34歳のエヴァン・タナーは障害者年金と、学生の論文や
レポートの代筆アルバイト(相手の希望に添って、出来映えもBの中とか
調節できる)で暮していたが、アルメニア人亡命者が屋敷(今はトルコ領)
に隠した金貨を探しに出向き、逮捕され、物語はトルコの留置場から
始まる。
 強制送還を逃れ、ユーラシア大陸をうろついては再びトルコに侵入する
のだが、ここでエヴァン・タナーの趣味が役立つ。
 各種団体に加盟するのが趣味なので、アイルランドでは「アイルランド
共和国同盟」のメンバーに助けられ、ユーゴスラヴィアでは「内部マケド
ニア革命組織」アメリカ人メンバーとして、4時間23分数秒持ちこたえた
革命を率いる...。

 粗筋を書くと、たしかにおバカ。でもエヴァン・タナーの(あるいは作者
ローレンス・ブロックの)すべてを相対化する眼差しはクール。

 まだ手に入れていない第二作も読む予定だが、全作、日本語化を
期待している。

     (創元推理文庫 2007初 J)

第二作は2017年2月24日に読む





..... Ads by Excite ........
[PR]

by byogakudo | 2014-07-20 16:52 | 読書ノート | Comments(0)


<< 猪野健治「日本の右翼」まだまだ...      猪野健治「日本の右翼」まだ1/4弱 >>