2014年 08月 10日
泥棒バーニイ・シリーズが終わりに近づく。つまんないな、もう新作は 出ないのか。 「泥棒はボガートを夢見る」では、なんといってもバーニイのボガート 成りきり振りが見物。映画「カサブランカ」仕様の泥棒バーニイである。 < 世界じゅうのあらゆる街のあらゆる本屋の中から、彼女はよりにも よって私の店にやってきたのだった。>(p47上段) ボガートの大ファンで、彼の映画で英語を学んだバルカン半島出身 の美女が、バーニイの古本屋でボガートの伝記を買う。ハードカヴァ なので、安いペーパーバックもあると教えてあげる(これぞ古本屋!) が彼女は持っていて、元版が欲しいのという。意気投合したふたりは 夜毎、ボガート映画祭に通い詰める。 そんな映画の中のボガートそっくりの人格になっていたときに、これ またボガート映画みたような事件に巻きこまれ、「マルタの鷹」の登場 人物めいた連中がわんさか出てきて、あとはパターン通り、身の証を 立てるために名探偵振りを発揮する。 泥棒バーニイ・シリーズはあくまでも喜劇タッチで進行する。いくら バーニイが映画の中のボガートそっくりに、美女に対して紳士的に ふるまおうと、彼に仕事を依頼する老人連中が、ボガート映画かぶれ みたように行動しようと、バーニイが三度も同じタクシーをつかまえて、 今や珍しくなったニューヨーク出身の老タクシー・ドライヴァから、その 都度、信じられないようなエピソードを聞かされたりするのは、とても 批評的姿勢である。 泥棒バーニイ・シリーズでは大抵、前作の余波みたいな話が出てくる。 「泥棒は野球カードを集める」はスー・グラフトンのアルファベット題名・ シリーズのもじりが続出していたが(ああ、でも読んでない)、ここでは <「地下鉄の線路に突き飛ばして不実な妻を殺すジャズ・ミュージシャン の話」>その名も < 「『列車のA』[以下略]>(p196下段)をキャロリンが読んでいる。 これは" A for A Train "だろうと見当がつくが、バー二イが見失った アタッシェ・ケースを、いい間違いの名人、レイ・カーシュマン刑事が 「お達者ケース」と発音する(p97上段)のは、原文ではなんと言ってる のだろう? (HPB 1998初 VJ)
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by byogakudo
| 2014-08-10 12:31
| 読書ノート
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