猫額洞の日々

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2014年 08月 30日

ローレンス・ブロック「死者の長い列」半分強

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 シリーズものをネット注文するとき気をつけるのは、順序よく届くように、
だけれど、なかなか思うように行かない。マット・スカダー・シリーズも
後半に入り、順番通りに読んだ方がよさそうな3冊を頼んだら、最初に
読みたい1冊がいちばん後で(2冊が先に届いた、その翌日に)届く。

 まあ、その間、広津和郎「新編 同時代の作家たち」(岩波文庫 1992初
J)に手を出し、面白く読んでいるのだけれど(未了)。
 広津和郎は、まだ店をやっていたら、F氏にお薦めしていただろう。
もうすでにお読みかもしれないが、シブくて豊かでヒューマーがあって、
F氏好みの作家だ。

 ヒューマーといえば、「死者の長い列」もマット・スカダー・シリーズ
の中では明るいタッチらしいが、くそ真面目なヒューマーがある。

 ニューヨークが少し治安が回復し、売人とヤク中の溜まり場だった
公園が、芝生とお花畑のある小公園に変身し、通りの半分に街路樹が
並ぶようになった1990年代前半である。
 木を六本植えて一本育つような街であっても__

< そうして生き残った木の陰でベンチに坐り、この町もまんざら捨てた
 ものではないと思うのは悪くなかった。私はこれまでずっとこの町の
 明るい面を見るのが不得手だった。都市機能の麻痺、腐敗、社会的衰退
 といったものにどうしても眼がいってしまうのだ。そういう性格なの
 だろう。グラスにまだ半分ぐらい残っていると思う人間もいるだろうに、
 私の場合は、もう四分の三もなくなった、そのうち自分にできることは
 グラスに手をつけないことだけになるだろう、と思ってしまうのである。
 そういう性格なのだ。>(p80)

 こういうヒューマーがいい。

     (二見文庫 2005再 J)

08月31日に続く~





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by byogakudo | 2014-08-30 21:46 | 読書ノート | Comments(0)


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