2014年 09月 22日

猪野健治「日本の右翼」があった

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 途中で抛り出されている本が、いつも何冊かある。猪野健治「日本の
右翼」も、まだ半分くらいで閉じられていた。猪野健治、黙って拝借して
きた「やくざ親分伝」のほうが楽しめたみたい。日本近現代史に弱いから、
誰それが何とか事件に関係したと書いてあっても、どんな出来事なのか
イメージできなくて、いまいち感情移入(?)しづらい。

 『三浦義一 戦後裏面史の"無謬の黒幕"』を眺めてみた。大分市長や
衆議院議員だった父を持ち、兄弟は大学教授や大手企業の上役(たぶん)、
姉妹も裁判所所長夫人だったりの<「名門、秀才一家」>(p239)だそうで、
敗戦後、アメリカの占領政策にも介入した大物・右翼らしい。

 三井系の江戸英雄たちとも幼いころから親しく、財閥解体の時期には__
<三浦は事態の収拾に全力をあげた。三井十三家のなかでも、三井弁蔵
 の未亡人が三浦をもっとも信頼していたという。三井[注:財閥]は、
 そこで三浦のために[注:日本橋室町の三井ビル西三号館の]事務所を
 提供したのである。>(p248)

 政界にも力があり、建国記念の日(猪野健治は右翼の心情に沿うかのように
「建国記念日」と書いているが、わたしは認めてないので、あれは「建国記念
の日」)が2月11日に決まったのは、佐藤栄作・首相と、友人・三浦義一の間の
電話による、ということだ。

 日本の政財界(権力機構)は右翼のお友だちであり、右翼は権力の裏面に在り、
やくざは右翼に命じられて汚れ仕事を実行する、というヒエラルキーかしら?
 官僚機構を再生産し続ける東大・文1組は、右翼と似たような裏方の一種
(但し表業としての裏方)であり、権力構造の重要な一環である...。お洒落な
ところがまるでなくて馬鹿馬鹿しいだけの、権力の生態系だ。たしかに近代は
終わってない。垂れ流しが続いている。

     (ちくま文庫 2007年5刷 J)





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by byogakudo | 2014-09-22 22:00 | 読書ノート | Comments(0)


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