猫額洞の日々

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2005年 12月 20日

べからず集__古本屋に優しいお客さまになるために?

 勝手なお願い事項ですが、ともかく本の修理にセロファン・テープや
メンディング・テープを使うことだけはお止め下さい。あれほど始末に悪い結果を
もたらすものもありません。

 ジャケット(カヴァ)が本を開くときバタバタするのがお厭で、テープで留めたくなる
のは解ります。でも数年経つと、テープは剥げ落ち、茶色に変色した糊痕だけが
しぶとく反対側の頁にまでこびりつき、これは取れません。
 それとも どなたかこの こびりつきの落とし方をご存知の方、いらっしゃる
でしょうか? もし秘伝を教えて頂けるなら、こんなに嬉しいことはありません。

 同じく、ジャケット背表紙の天が傷んだり、折返しの部分が傷んでもセロファン・
テープやメンディング・テープではなく、紙切れ(わたしは紙テープを使用)に
スティック糊で補修なさいますよう。スティック糊は強度はありませんが、充分に
補修できます。セロファン・テープ類や仮留め用のペイパーボンドに使われる糊
みたいに、あとで汚く変色しません。
 (そもそも背表紙が傷んだりしないためにまずグラシン紙なり、新刊書店で
「カヴァをお掛けいたしますか?」と聞かれてつけてもらう「カヴァ」で覆って
おけば、補修しないですむのですが。)

 無線綴の本しか近頃は流通しませんが、もし頁が外れてしまった時は、綴じ目の側を
1ミリほどカットしてから木工用ボンドでつければ頁が飛び出しません。
 ミステリのお師匠さんによれば、ボンドも ぬるま湯で半々に割って使う方が
強力すぎて紙を傷めたりすることがないそうです。不肖の弟子は まだそこまで実行して
おりませんが。
 なにしろ お師匠さんは天のヤケを防ぐために本の上部に布をかけることまでなさる。
弊店でも一カ所だけ実行していますが、とても全部の本にそれをやる勇気は
もてません。通信販売専門店なら実行すべき事柄ですけれど。

 並べ立てて行くと 何てうるさいばーさんかと、自分でも思います。とても本を
大事になさるお客さまの悲劇も思い出します: 
 本は全部、新刊書店のつける「カヴァ」か ご自分で掛けられたグラシン紙の
ジャケットに覆われ、ガラス扉の本棚にしまっておかれる方ですが、某日しみじみと
 「死ぬまでに一度でいいから、出版された状態のままで 本を読んでみたい」

 原理主義はひとに幸福を齎すものではありません。

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by byogakudo | 2005-12-20 15:10 | 雑録 | Comments(2)
Commented by taro at 2005-12-20 20:37 x
美術品の修復でもセロテープ痕の除去作業があるようですね。
http://homepage1.nifty.com/y-nakatsuka/report.html
の『Report3』に掲載されております。
確かに綺麗になっておりますが、かなり手間がかかるようです。

たまには魚とは無縁の調べ物をしてみたりして。
Commented by byogakudo at 2005-12-21 17:27
すごいッ! 大変な作業なのですね。あれこれ想像しながら
読みました。実行はできなくても不可能じゃないことが解って
嬉しいです。
お魚から遠く離れてまで探して下さって、感激です。ありがとう
ございます。


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