猫額洞の日々

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2014年 12月 01日

「ローレンス・ブロック傑作集 3 夜明けの光の中に」散読中

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 「ローレンス・ブロック傑作集」全3巻とも通信販売で入手したけれど、
第1巻に不備があって、安いからしかたないとは思うが手に取る気が失せ、
いちばん状態のいい第3巻から読み始めた。いずれ遡るのだけれど。

 短篇もうまくって、いやになっちゃう、というのは冗談だが、ほんとに
何を書いてもうまい。効果を考えて順番を決め、収録してあるだろうに、
ランダムに読んじゃって悪いけれど、でもどこから読んでも面白い。

 『泥棒はプレスリーを訪問する』(田口俊樹 訳)では、我らが泥棒
バーニイ登場。怪盗ニック・ヴェルヴェットまがいの仕事を依頼され、
原典に沿った方法手段を用いて難攻不落なグレースランドを攻略する。

 もうお酒を止めているマット・スカダーがリライアブル探偵事務所の
仕事をする『バットマンを救え』(田口俊樹 訳)では、ニューヨークの
露店商の様子が描かれる。著作権を侵害しているバットマンのTシャツ
類を摘発するのだが、

<さまざまな露店に次から次へと出くわした。服を売る者、カセット・
 テープや小物や本を売る者、ファースト・フードを売る者。その大半は
 法が求める許可を受けていない露店だった。
 [中略]
 市は定期的に通りをきれいに掃除する。許可証を持たない露店商を
 一斉検挙し、彼らに罰金を科し、商品を没収する。
 [中略]
 一週間かそこら経つと、また露店が雨後のたけのこのように並ぶことに
 なるのである。 
 [中略]
 が、本屋だけはこのエンドレス・ゲームから免れている。裁判所が、憲法
 修正第一条が認める出版の自由には、通りで印刷物を売ることも含まれる
 という判断を示したからだ。
 [中略]
 その結果、[注:外国から飛行機でやってきて稼いでは帰りまた来る]文字も
 読めない連中が、売れ残って値下げされた美術書や、盗品のベストセラーを
 売るのに混じって、学者のような顔をした古書店主まで通りで店開きする
 ようになった。さらにそれに、なんとか生活の糧を得ようとして、ゴミの缶
 から漁って来た雑誌を広げるホームレスが加わるのである。>(p522)

     (ローレンス・ブロック/田口俊樹・他 訳「ローレンス・ブロック傑作集 3
     夜明けの光の中に」 ハヤカワ文庫 1997再 J)

 Elsie Bianchi Trio - The Sweetest Sound

12月03日に続く~





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by byogakudo | 2014-12-01 13:12 | 読書ノート | Comments(0)


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