猫額洞の日々

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2014年 12月 28日

大月~山中湖(2)__山中湖篇

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~12月27日より続く

 さて、2時過ぎに「ピッツェリアB」を出た2台の車は山中湖に向かう。
途中に何度か、左右に富士山が見える。やがて3pm近く(?)、右側の
山裾沿いにレストランや大学のセミナーハウスが続き、左側に湖水が
見える道になり、「atelier ptica アトリエ・プティカ」に到着。

 廣瀬氏にいつ行くかを電話で相談したとき、提案されたキャフェ兼
ギャラリーである。
 「庭なんか手入れをやめてるんで、ちょっと廃墟っぽいところも
あるんだけれど、そこがまたいいのね」の言葉通り、うつくしい建物だ。

 全面ガラス(!)の温室みたような一戸建て、キャフェ兼ギャラリー兼
アトリエ(兼住まい、とあとで分かる)。道路に面した側は屋根近くから
下がるカーテンで中が見えない。枯れた蔦や草が垂れ下がり、生い茂る
荒れた庭。(湖畔はきっと荒れた岸辺にちがいない!)
 夢中になって眺める、S は写真を撮る。暖かい車内を出て、晴れているが
寒風の吹く戸外で我を忘れて熱狂していたら、先に入っていた廣瀬氏が、
 「どうしたの? 入らないの?」
 声がかからなければ、あと20分くらい、震えながらも見つめて撮っていた
のではないかしら。

 ガラス張りの室内である。右手がアトリエ部分、最奥部に本棚があり、
画集や大型本が並んでいる。建物の大部分を占める左側は、前面
ガラス窓、全席、湖に面した、キャフェ・スペースだ。正面に山中湖、
左手に富士山、というロケーションである。そう聞いてはいたが、
実際に目の前にそれが出現すると、茫然となる。

 これも言われていたが、一日中でもいられそうな、いたくなる、場所だ。
時間とともに、湖面の色も山肌の色味も稜線の夕霞も、変化していく。
ここでも富士山を逆光に見る。むかし習った「山際」や「山の端」と
いう言葉が実感を持って理解できる。見飽きない。
 みんなはココア、わたしは紅茶を頼み、外を眺める。

 湖側のドアを開けて外へ出てみる。枯れ草に覆われた岸辺、絶え間
なく波が押し寄せる湖岸を渡る風は冷たく、長くはいられなくて屋内
に戻り、本や置かれたままに停まる雑貨類に目をやり、ふたたび窓外
を見る。波が岸辺を洗う。

 わたしは自然が苦手だ。ハイウェイ脇の富士吉田の雑木林風景を理解、
翻訳するのに、和田堀の拡大延長版という表現しか思いつかない自然痴
だが、「アトリエ・プティカ」から見える風景は、山と湖で枠取られて
いるので反応できるのだろう。

 3:50pm、逆光の富士山の山肌が蒼みを帯びてくる。
 白雪を戴き、黒ずんだ群青色の山肌、ふもとの薄の群は淡い黄金色で
オレンジ色の逆光に稜線が彩られる富士山の絵は、日本画家の観念の
産物だと思いこんできたが、リアリスムだったようだ。でも、あれらの絵は
やはり好きではないけれど。「洋画」に対抗しなければ、という日本近代
の側からのイデオロギッシュな「日本画」表現行為に思えるから。

 目の前を眺め、ぼんやりと夢想にふける、という贅沢な時間だった。

 夕暮れ前に山中湖を出て、山中の「ほたる」に行ったことは昨日書いた。
10pm過ぎに部屋に戻った途端、鈴木創士氏から電話をいただき、少し
おしゃべりする。「アトリエ・プティカ」にいたときも、彼を誘って、
ここに来たいなあと思っていた。





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by byogakudo | 2014-12-28 10:33 | 雑録 | Comments(0)


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