2015年 01月 07日

キリル・ボンフィリオリ「チャーリー・モルデカイ 2」読了

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 キリル・ボンフィリオリ「チャーリー・モルデカイ 2 閣下のスパイ
教育」も読み終わる。残念ながらあまり楽しくならなかった。

 連作シリーズなので、第一作で結婚した猛女・ジョハナとの生活は
続いているし、用心棒・ジョックも新婚家庭のスタッフである。

 新妻・ジョハナは、もしや国際的人身売買組織(性奴隷斡旋組織)
の統率者で、結婚したのは夫、チャーリー・モルデカイに代表者を
演じさせ、資金洗浄の道具にするつもりかと疑わせるシーンが出てくる。
 ケストナー「ファービアン」やイーヴリン・ウォー「衰亡記」みた
ような展開になるのかと思ったが、そうはならず、妻の命令で夫は、
女だけのスパイ訓練所に送られ、猛烈にしごかれ、デコイとして各種、
スパイ組織に狙われる羽目になる__あっ、やっぱり「ファービアン」
や「衰亡記」的教養小説になるか。

 オフビートなスパイアクションというより、むしろメタ・スパイアク
ションと解釈して読んで行けばいいのだろうか。期待していたほど
大喜びはしていないが、第三巻、四巻も読む予定なので、それなりの
心づもりが必要だ。

 < もてなし役の名前はミスター・リー__Lから始まる李(リー)さん、あるいは
 Rから始まる日(リー)さんだとわかったが__どちらかはっきりしなかった。
 [中略]
 オックスフォードには韓国人の教授がいて、まちがいなく喉(のど)を震わせて
 Rで名乗っていたが、文字で書くとLのほうだった。この件ではもてなし役も
 例外ではない。>(p218)

 原文の様子を伝えようと工夫した結果であろう、中国人のもてなし役の喋りは、
< 「ミスター・モルデカイ」彼は重々しく、あるいは彼なりに精一杯、重々しい
 口調で言った。「この手の商売では、"愚かな奴を"演じレば、まともだとも
 見なさレず、安全ですラないとわかル程度には経験がおあリのことでしょう。
 [以下略]」>(p219)

__本では半角「ラリルレロ」表記だが、この調子である。気持はわかるけれど、
読みにくい。他の外国人が喋るイギリス語表記も、これ式である。わたしには
どうすればいいのか見当もつかないが、何とかならなかったかしら。

 1月末に三、四巻の日本語訳が出版されるそうだが、ついでのこと、スピンオフ、
"All the Tea in China"も出してくれないだろうか、読みますから。

     (キリル・ボンフィリオリ/三角和代 訳「チャーリー・モルデカイ 2
     閣下のスパイ教育」  角川文庫 2014初 帯 J)   





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by byogakudo | 2015-01-07 19:33 | 読書ノート | Comments(0)


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