2015年 02月 26日

なぜか、(1)半藤一利「それからの海舟」1/3

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 「夢声戦争日記 抄_敗戦の記_」が進まないまま、それを言えば
岩本素白「素湯(さゆ)のような話」も中断したまま、半藤一利「それ
からの海舟」を読み始めている。他にも2、3冊、ちらりと眺めてその
ままになってる本があって、スランプ(?)だろうか。

 半藤一利、名前は知ってるがあまり興味を持つ機会がなく、スルー
してきたが、勝海舟は好きだ。物事を合理的に考えられる有能な役人
という印象で、幕末から明治にかけて出てくる有名人の中では好感が
持てる。

 半藤一利は向島生まれ、越後長岡の中学校卒業で、
<幕末における薩長は暴力組織以外のなにものでもないと思っている。
 「官軍」とは色をつけてもいわない。つねに「西軍」といってきた。>(p8)
 従って、
<江戸城無血開城の後のそれから、ということは、結局は「明治」という
 波瀾万丈の時代をテーマにすることになる>(p10)本書における著者の
立場は徹底して幕府側に立つ明治時代の考察であり、それはその後の日本、
半分は戦争の時代だった昭和の考察につながる。

 勝海舟を通して明治時代を眺めるのは分るが、「勝海舟ファンクラブ代表」
みたような書きっぷりだから、その点は心して、というか諒解して読むこと。

<日露戦争の前と後との日本人は、違う民族になったのではないかと思わ
 れるほどに変わったことにひどく驚かされる。世界五大強国の一つの
 ロシアに勝つことができた(実は惨勝なのであるが)、ということから、
 日本人はいっぺんにのぼせ上がり、どんどん傲慢になっていった。固有の
 美風をことさらに強調して、文化・風俗・習慣・信仰・道徳などはもとより、
 国の成り立ちからして世界に冠たる国家を誇りだした。あえていえば狂的に
 偏狭な国粋主義だけがはばを利かすようになった。それがやがて世界を敵と
 する大戦争を起こして、せっかく作り上げた国家を滅ぼすことになるのである。
 この太平洋戦争の開戦の詔勅にはなぜか、それまでの日清・日露・第一次世界
 大戦の詔勅には明記されていた「国際法を遵守し」の文字が消滅しているが、
 [中略]
 いずれにしても始末の悪い夜郎自大の民族になったことはたしかである。>
(p107~108)

 自信過剰になっても自信喪失しても、同じ症状を呈すのがとてもジャパネスク。

     (半藤一利「それからの海舟」 ちくま文庫 2008年6刷 J)

2月27日に続く~





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by byogakudo | 2015-02-26 19:15 | 読書ノート | Comments(0)


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