猫額洞の日々

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2015年 03月 01日

「夢声戦争日記 抄_敗戦の記_」+「O・ヘンリー・ミステリー傑作選」

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~2月23日より続く

 「夢声戦争日記 抄_敗戦の記_」がなかなか捗らないので、
もう一冊、「O・ヘンリー・ミステリー傑作選」を加えてみる。

 「夢声戦争日記 抄_敗戦の記_」を見ていると、戦争末期でも
徳川夢声はわりとよくお酒を飲んでいる。本人にしてみれば、戦前は
こんな量ではなかったというのかもしれないが、昭和20(1945)年
4月28日現在、なにがしかのアルコール飲料を摂らない日のほうが
少ない印象だ。芸人として慰問に行くと、そこでは大抵、飲食物が
提供される。

 但し、日々の食卓はヴェジタリアンである。日本中どこでも
(伝えられる、今の北朝鮮と同じく、軍の上層部やその関係者
以外は)意図せずともヴェジタリアンたらざるを得なかった時代
だけれど、かろうじてお米の主食に、おみおつけの実は庭の野菜、
おかずは野菜の煮付けといった献立である。

 都下に住みながらもできる自給自足は、野菜作りだ。だから黄水仙や
ヒアシンスの球根はスコップで掘り出され、あとに豌豆を撒く。20年前、
苗木で買ってきたものを手ずから植え、大きくなった染井吉野も切り倒す。
<庭を出来るだけ農場化しなければならぬ今日、この桜の枝は大きな傘
 となって、作物へ当る日光を邪魔する。
 [中略]
 この桜は無きものにせんければならんのである。桜よ、勘弁しろ。>
(p33~34)

 沖電気で仕事をしながら、医学部に入れるかどうかの頃の若き山田風太郎・
日記を思い出すと、有名人であり一家の主である夢声の日常はまだ穏やかさを
保っているように読まれる。あちこちで空爆されているし、夢声宅の近くでも
爆弾は落ちているのだが。

     (徳川夢声「夢声戦争日記 抄_敗戦の記_」 中公文庫BIBLIO20世紀
     2001初 帯 J)

3月2日に続く~





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by byogakudo | 2015-03-01 16:36 | 読書ノート | Comments(0)


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