2015年 03月 21日

ジョージ・バクスト/藤井ひろこ 訳「ヒッチコックを殺せ」1/3

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 先日、里見弴を読んでいたとき、なぜか、ジョージ・バクスト
を思い出し、他に翻訳はないかと調べたら、これがあった。これ
しかない。

 映画の脚本家出身だそうで、「ある奇妙な死」がゲイが演ずる
「サンセット大通り」みたような感触だったのも納得だ。
 WikipediaによればGay writersのひとりで、LGBT writersにも
分類されるようだが、どういう意味があるのだろう。なんでもカテゴ
ライズすればいいって話か?

 「ヒッチコックを殺せ」は、山田風太郎の明治ものと似た構造で、
アルフレッド・ヒッチコック自身がヒッチコック映画のプロットの中に
落っこちるような、虚実混淆した作りだ。

 『第一部 一九二五年六月、ミュンヘン』では、ヒッチコックは第一作
「快楽の園」撮影中。スタッフのひとり、スクリプト・ガールが「サイコ」
のシャワー・シーンそのままな殺され方をするし、『第二部 一九三六年
六月、ロンドン』では、別荘のドアを開けたヒッチコックの腕の中に、
刺された男が倒れ込んでくる。

 Celebrity Murder seriesと分類されたシリーズの2作目がこれだが、
どれも楽しそうなタイトルなのだ。ドロシー・パーカーにタルラー・
バンクヘッド、ノエル・カワードにメイ・ウェストなどなど。
 しかし、日本人になじみが深いとは言えない(名前だけは知っている)
主人公なので、どれも脚注をどっさり付けなければならないのが欠点で、
この一冊しか翻訳されなかったのだろう。読んでみたいが、河出書房新社
も国書刊行会も、ジョージ・バクスト選集なぞ、出さない、でしょうね...。

 どこかでこの企画を通してくれないかしら、せっかく長生きしたんだもの、
読んでから死にたい作家のひとりとして、ジョージ・バクストを!

     (ジョージ・バクスト/藤井ひろこ 訳「ヒッチコックを殺せ」
     講談社インターナショナル 1987初 帯 J)

 ああ、バブル経済時だから、翻訳・出版できたのか.....。

3月23日に続く~





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by byogakudo | 2015-03-21 20:21 | 読書ノート | Comments(0)


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