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猫額洞の日々

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2015年 04月 09日

ルイ・マル「アトランティック・シティ」を流し見しながら

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 以前、ヴィデオで見たかもしれないが、いや、見ていない。街は寂れ、
ひとは年老い、新しい街に生まれ変わるために古い建物は爆破され、
わびしく風が吹き抜ける中で、老いも若きもいっときの陽だまりに恵ま
れることもある映画、ルイ・マルの「アトランティック・シティ」を
流し見る。

 昔はちんぴらだったバート・ランカスターも、まだ若いスーザン・
サランドンも、先のなさでは全く変わりない。やぶられるための夢に
捕えられた廃馬ばかりが集うが、廃馬であれ、生き残った彼らは笑う
ことができる。

 ルイ・マルで好きなのはその生活感覚だ。どの映画でもインテリアが
すてきだ。「ダメージ」のブルジョア家庭の食卓に飾られる花や、この
映画なら、サランドンの部屋のランプなど、この上なく的確だ。

 スーザン・サランドンの絶妙なタイミングでの殴り方も、すばらしい。
最初はダメ夫の腹に重量感ある一発、大男のギャングには、隙をついて
鮮やかに顔をひっぱたく。

 フランスのブルジョア青年は、グレると映画監督への道を選ぶ伝統が
あるのかと、先日、思っていた...。





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by byogakudo | 2015-04-09 21:38 | 映画 | Comments(0)


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