2015年 04月 18日

「銀座百点」編集部 編「私の銀座」読了

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 銀座だから成立するネーミングのタウン誌だ。1955年創刊! 
web版もある! 銀座百点銀座百店会
 「六本木百点」や「青山百点」、「新宿百点」に「渋谷百点」、
どれもうまく接合しない。やっぱり「銀座百点」か。

 新潮文庫編集部により、1957年31号、有吉佐和子「私の浪費癖」から、
2010年670号、林真理子「銀座を迷う」までの全60名、60篇のコラムが
集められた。昔からよく見かけていたが熟読したことはないので、一気読み
すると、エッセイやコラムの書き方、というより書くときのスタンスという
べきか、それが時代とともに変わってきていることを強く感じた。どんな
流れでどの作を選ぶか、選び方で読後の印象も変わるだろうが。

 1950年代から80年代まで、ぎりぎり1991年444号の藤沢周平「さまざまな
夏の音」まで入れてみても、書きっぷりのスタンスはあまり変わらない。
 銀座という街を直接に描かなくとも、よそいきを着ておしゃれして出かける街に
ふさわしいスタイル、つまり起承転結、メリハリのある、"巧い"エッセイがかつて
の暗黙の了解事項だったことを思い出させる。書き手は読者を想定し、好感と微笑
を予期した書き方をする。銀座がそうであったように。

 小売店が粒立つのではなく、世界的な大ブランドが建物全部を占拠する形態の
いまの銀座の「銀座百点」では、かつての気風で書かれた"エッセイ"や"コラム"が
減っているのじゃないかしら? 街が変わったように。
 いまの銀座はあんまり楽しくないのよねと、先だってもバレエのK・K夫人と話した
のだった。

     (「銀座百点」編集部 編「私の銀座」 新潮文庫 2013年4刷り J)





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by byogakudo | 2015-04-18 21:09 | 読書ノート | Comments(0)


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