猫額洞の日々

byogakudo.exblog.jp
ブログトップ
2015年 04月 30日

佐多稲子「私の東京地図」半分弱

e0030187_2122537.jpg












(クリックすると、今日から写真がポップアップします。)

 こちらは、ささま書店の中に入って買った1冊。「時に佇つ」の前に、
こういう回想録的エッセイが書かれていたのか。

 以前見たTVのアーカイヴズで、女性作家の特集があった。若い女性
たちを前に林芙美子が講演し、質疑応答の時間になったが、質問者の
その頃の若い女性らしい、高い細い声で真剣に質問する口調が印象的
だった(講演会の翌日だか、林芙美子は急逝する)。

 佐多稲子も紹介されて、和風の仕事場で、煙草を吸いながら原稿を書く
様子がキマッてて好きになったが、小説は「素足の娘」しか読んでないし
(あまりぴんとこなかった)、エッセイも「時に佇つ」だけだが、日本語
で半過去や大過去をやるとすれば、この手があるか、と思わせる書き方
だった。
 「私の東京地図」は、そこまで意識的な過去形の使い方は見せない
けれど、佐多稲子の生きてきた私的な時空間に、大震災前後の東京と
第二次大戦後の焦土の東京とが重なり合い、絡み合い、パースペクティヴ
をもって描かれる。

     (佐多稲子「私の東京地図」 講談社文芸文庫 1992再 J)   

5月2日に続く~

[2017年10月4日にも、佐多稲子の煙草の吸い方について書く。とても
印象に残ったのだろう。]





..... Ads by Excite ........
[PR]

by byogakudo | 2015-04-30 20:36 | 読書ノート | Comments(0)


<< 鈴木創士「文楽かんげき日誌」第...      田中啓文「星の国のアリス」読了 >>