2015年 07月 07日

レイ・ハリスン/高田恵子 訳 「ジョン・ブルの誇り」読了/戦争法案・町内会論

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 こういう本はチャチャッと読めるからいい。チャチャッと読まないと
人間関係を忘れてしまうし、これがチャチャッと読めなくなったら結構、
問題だ。呆け方のチェックになるミステリ。

 イギリス人にとっては古き良き時代、ヴィクトリア朝。植民地にとっては
忘れられない忌まわしい過去、パレスティナでは現在も続く。
 そんな時代に設定されているが、主人公ジョゼフ・ブラッグ部長刑事
(田舎の荷馬車屋の息子だった)と貴族社会に属する部下、ジェイムズ・
モートン巡査は、ふたりとも(特に部長刑事)正義感が強い。社会的な
公正さを自分の倫理としているようだ。こちこちの堅物ではなく俗っけ
もある様子が描かれているが、こんなに社会的平等への意識が強かったら、
そもそも警察に入るだろうかと疑問も湧く。社会改良運動なども、もう
始まっているのではないか?

 ただ、さらっと感じよく書かれているのが、いい。数行に一度は読者を
笑わせなければ、といった強迫観念に駆られた読物ではなく、あくまでも
あっさりと着実な書きっぷりだ。
 ヴィクトリア朝の風俗描写のまぶし方も堅実(だと思う、というべきだが)。
ジョージ・オーウェル「パリ・ロンドン放浪記」にあった、劣悪な住環境である
簡易宿泊所の手入れ、モートン巡査の地下鉄の開通式への参列(ということは
1863年1月10日前後の物語?)、葉巻の扱い方に見られる貴族と新興ブルジョア
ジーの見分け方などなど。

     (レイ・ハリスン/高田恵子 訳 「ジョン・ブルの誇り」
     創元推理文庫 1991初 J)


 日本人を元首・安倍晋三の臣民扱いしている、国事犯的乗っ取り屋・
安倍晋三が、自民党運営のインターネット動画配信番組「カフェスタ」
に6日(月)夜、出演して、戦争法案の必要性を町内会に例えて(!)、
分かりやすく(?)丁寧に(!)説明したそうだ。
 フグの毒だとか、隣の家の火事とか、今度は町内会とか、できるだけ
大事(おおごと)にしたくない、大した話じゃないと、日本人を愚民視した
独裁政権側の発言が続く。
 それって、アメリカの国力や軍事産業は衰亡しているから大したことじゃ
ない、といってることじゃなくて? アメリカは(同盟国という名目の)
手下の国から、こんなに馬鹿にされてて構わないの、お金と自衛隊員の
生命で払ってもらえれば、それでいいのか?





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by byogakudo | 2015-07-07 17:00 | 読書ノート | Comments(2)
Commented by saheizi-inokori at 2015-07-08 10:29
いつ天皇を利用し始めるのかとも危惧してます。
Commented by byogakudo at 2015-07-08 23:47
天皇というより、ターゲットは秋篠宮家ではないでしょうか?


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