猫額洞の日々

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2015年 08月 07日

J・G・バラード/増田まもる 訳「千年紀の民」読了/「非行の芽をつむ」=江口克彦、安倍晋三

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~8月4日より続く

 「殺す」は好き、「楽園への疾走」まあ好き(?)、「コカイン・ナイト」
が退屈で、「スーパー・カンヌ」は同じようなものだろうと読まなかったが
(たぶん)、これは好きだ。

 「結晶世界」辺りのバラード水脈が再び顔を出してるように感じられて、
好きなのだろう。「結晶世界」みたいにSF的世界を設定せず、ロンドンの
高級住宅地でのミドルクラスの反抗や革命を描く、という枠組みだけ聞くと、
社会派かしらと身構えるけれど、なぜなのだろう、ちっともそうならない。

 終末の風景がじっくりと画布に描きこまれていく過程に立ち会っているような
感触だ。そう。疾走感はない。ミュージシャンが年をとると速いプレイができなく
なるように、小説作品も作家の年齢を反映する部分がある。一筆一筆、ゆっくり
少しずつ物語が進み、読む側もその速度に反応する。このところ熱かったしねと、
つけ加えたくもあるが。

 死と再生の物語だ。前妻を爆弾テロで失い、なぜ死者が彼女でなければならな
かったのかという不条理に、それでも因果関係を求める精神分析医が、今の妻に
励まされて__彼女も鉄道事故で下半身麻痺になった不条理とトラウマを抱える。
__いわば彼女の分の悪魔払いも兼ねて、彼は革命を夢見る(部分的には実践
する)中産階級集団に囲まれた黄泉路を巡礼する。精神の旅行記であり、旅人は
試練を経て無事に家に戻る。夫婦も再出発するという、バラードには珍しいハッピー
エンディングだが。

 最後の作品 Kingdom Come は日本語訳されないだろうか?

     (J・G・バラード/増田まもる 訳「千年紀の民」
     東京創元社 2011初 帯 J)


 むかし「非行の芽をつむ」とかいう標語が警察のポスターにあったような気がする。
毎日のように、政治屋や役人の悪行と悪名リストを連ねるのも疲れることだが、気が
ついたときに書いておかないと、すぐ忘れる。加害者連中のみならず、被害を受ける
こちら側でさえ、すぐ忘れてしまうような量と速度で"非行"が続く。

 「東京新聞」8月7日朝刊より引用。
 参議院内閣委員会で"女性活躍推進法案"を審議中だそうで__女に活躍してもらい
たい、働かせたいなら、派遣法をまともなものにして、保育園を充実させて、男がひとり
で家族を養うシステムを改良して.....__、8月6日、江口克彦(次世代の党・比例)が
参考人質問時に、
< 女性は好みに思っているらしい男性だと(セクハラされても)記憶にないと言い、
 気が合わない男性からハグされるとセクハラだと言う。もっとひどいのは握手する
 だけでセクハラだと言う。
  女性は管理職になっても扱いにくいところがあると思う。>等々の発言をやって
のけた。

 8月6日、広島での平和記念式典で非核三原則に触れなかったのを非難された安倍
晋三が、じゃあ、長崎では入れます、と言っている。

 防衛相・中谷元が、核兵器の運搬も法文上は排除していないことを認めた。
山井和則(民主党)が核兵器の除外を法案に明記するよう求めたが、安倍晋三は、

<「机上の空論に対して答えたにすぎない。核弾頭の運搬はまったくありえない」
 「(現行の)周辺事態法も法理上は同じだ」
 「首相として『あり得ない』と言っているんだから間違いない」>
__だから、それが法治国家の首相として認識が間違っている、というのだ。

 TVニュースで新国立競技場建設についても、首相として責任を持ってやって行くとか
言っていたが、2020年までは生きていて、しかも首相を続けているかのような口ぶり
だった。安倍晋三の長命を拒否し、それが不可能ならせめて政治業界からの引退を
要求する者として心外、怒りが沸騰しそうだ。

 むかし、オウム真理教がマスコミで騒がれたとき、原理研みたようなものは放って
おけば、いずれ廃るのにと思っていた。油断だった。
 それを教訓に非行の芽はつんでいこう。





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by byogakudo | 2015-08-07 21:43 | 読書ノート | Comments(1)
Commented by saheizi-inokori at 2015-08-07 22:31
傲慢というか、ヒトラーを超えているような気がします。
テロリストになりたいくらい。


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