2015年 08月 18日
初めて地下鉄・南北線を使う。四谷まで丸ノ内線、乗り換えて4つ目 くらいで本郷に出る。南北線のプラットフォーム・ドアの厳重さ(車体と ほぼ同じ高さのアクリル扉と壁がプラットフォームの端から端まで続く) にたじろぐ。 地上に出ると向丘1丁目。右手が東大農学部、左手に進んでみる。 細い路地をいくつか曲がり、急激な坂を下り(本郷台地は急峻だ)、 地名は白山1丁目から西片2丁目に変わり、こんにゃくえんまの通り に出た。 1時間足らずしか歩いていないが、喫茶店・リトルウッドで涼み、 少し回復して、大亜堂書店の均一棚を覗いていたら、お店の女主人に 話しかけられる。わたしたちは話しかけられやすい体質だ? 「うちは昭和7年から、ここでやってるのよ。だからこの建物も83年 経ってるの」 「空襲で焼けなかったのですね?」 「こんにゃくえんまのちょっと先のところで火が止ったの」 彼女は子どもの頃、どんなにこの辺りがにぎやかだったかを話す。 眼の前の通りを指差して、 「今は広い道路だけれど、この下は千川だったのよ。ここらの店は 全部、川に臨んでいたの。こんにゃくえんまは、夜店が出てお小遣い 貯めて、いろいろ買ったの。こんにゃくえんまの境内はもっと広くって、 遊び場だったのよ。塀の上に登って遊んでたら叱られちゃった。あそこ、 裏はお墓だしね」 店内にたぶん初めて入った。 「もう本読むなんて人いないし、やめちゃおうかと思うけれど、やめないで って、お客さんに言われちゃうしね」 平岡敬一「浅草行進曲」(講談社)と野田宇太郎「東京文学散歩 隅田川」 (雪華社)を買ったら、複製地図の紙でくるんで輪ゴムをかけ、白いヴィニル 袋に入れて渡される。 早い夕食をすませ、また南北線・春日/後楽園から四谷、丸ノ内線で戻る。
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by byogakudo
| 2015-08-18 21:44
| 雑録
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Comments(2)
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saheizi-inokori at 2015-08-19 09:41
あの辺に銭湯もあったなあ。今はどうかな。
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byogakudo at 2015-08-19 09:55
白山1−3−5に「富士見湯」がありました。お庭つきなのが外からも分かり、
「左平次さんだったら、ここで一っ風呂浴びられるところね」と話しておりました。 |
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