猫額洞の日々

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2015年 09月 06日

馬越 寿・セルゲイ草柳・銀座レトロギャラリーMUSEE(銀座画廊散歩)+新富町!

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 昨日は晴れていた。銀座の個展会場散歩に行く。土曜日の午後なので、
ひとが多いだろうと思っていたが、中央通りは"歩行者天国"している。

 馬越 寿氏のガラスを見に、ギャラリー おかりやへ。エレヴェータを地下
二階で降りると、すぐ会場。
 白過ぎない室内、やわらかな照明に、馬越氏のガラス作品が映える。
ビー玉の新作(球体の中に立方体が潜む!)やマダム・ランヴァンへの
オマージュみたような底部の広がりのある壜、ヒューマーをたたえた
馬越氏の世界だ。
(明日、7日・月曜日まで)

 次はSがwebで見つけた、セルゲイ草柳写真展「空(くう)の中の散歩」
会場の銀座ビルは、前に撮った古い赤茶色のビルでなく、その隣の銀座ビル
写真弘社 銀座サービスセンター ギャラリーアートグラフ)だった。

 和紙を印画紙に使うとwebで読んでいたけれど、壁にかけられたモノクローム
の写真は、たしかに和紙のしなやかで堅固な質感と表情が豊かだ。印画紙と聞くと
平面に思えるが、むしろ紙という手触りを持つオブジェに写真が溶け込んでいる。

 作者・セルゲイ草柳氏自ら、手漉き和紙の作り方を解説してくださる__紙が
漉けたら泥水に浸けて乾かし、それでも写真を定着させる土台には足りないと
感じたら、草の汁や柿渋に浸けてまた乾燥させと、紙ができるまでに、たっぷりと
時間がかけられる。

 写真に撮られたものやことは、シャッターが切られた瞬間に過去に属するが、
その過去を定着させる印画紙自体に時間が堆積していて、わたしたちは二重に
重なった過去を目の前にするという、モダーンアートな作品だと感じた、なぞと
賢しらぶった台詞をセルゲイ草柳氏が聞かれたら、笑われることだろう。

 初めてお目にかかったのに、とてもフレンドリーな方だ。
 Sが、「写真って、好きか嫌いかでしょう?」と言ったら、「その通り!」と
握手を求めて来られた。

 webではセルゲイ草柳氏の写真の魅力は伝わらない。webで見られるのは作品の
モチーフだけなので、会場で、あの紙質を体験されることをお勧めする。
(10日・木曜日まで)

 ひと休みして、「ウィーン世紀末の逸脱 ー『ヴェル・サクルム創刊号』特別展示」
を見に、久しぶりに銀座レトロギャラリーMUSEEへ。
 「ヴェル・サクルム」が三方だけガラスで囲まれたケースに置かれている。贅沢な
展示だ。これは見るだけだが、ウィーン工房のガラス作品や、当時のテキスタイルが
今でも使われているテーブルセンターやクッション地を、買うこともできる。
(展示は20日・日曜日まで)

 ギャラリー おかりやの女性、セルゲイ草柳氏、銀座レトロギャラリーMUSEEの女性、
親切でやさしいひとばかりに会えた一日だった。銀座は絵や写真を見たあと、余韻を
保って散歩が続けられる。

 銀座レトロギャラリーMUSEEの裏手、新富町をまた歩く。再読と再訪の晩年だ。
2012年11月10日以来の新富町1丁目4番4号の建物は取り壊しが決まり、btf ANNEX
も印刷所も引っ越し先案内が出ていて、外壁の蔦はずっしりと重そうに垂れる。
 見にきてよかった。堆積した時間にさようならが言えるから。

 いい散歩だった。





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by byogakudo | 2015-09-06 18:06 | アート | Comments(0)


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