猫額洞の日々

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2015年 10月 07日

F・W・クロフツ/田中西二郎 訳「フレンチ警部最大の事件」読了+澤藤統一郎の憲法日記

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 F・W・クロフツ/田中西二郎 訳「フレンチ警部最大の事件」は、途中で
止っている本のリスト
に書かなかった。なぜなら、あれを書いたとき、まだ
読んでなくて、一昨夜から今朝(深夜ないし早朝)にかけて読んだ本だから。

 昨日はMer-de-cureに半日を費やす日だった。待ち時間があるので文庫本を
何か一冊、持って行かなくてはならないが、近ごろ、その一冊の重さが苦痛に
なってきた。寝床横の文庫本の山や丘を見て、いちばん薄そうで、しかも集中
できそうなのはと、これになった。

 9月14日に書いた「チョールフォント荘の恐怖」原作は1942年刊行、クロフツ・
63歳時の作品だ。1957年が最後の著作発表のようだから(この年、78歳になる
少し前に死亡)、晩年の作といってよいだろうが、高齢になると速度が落ちる。
(以前にも高齢=速度減少説を書いた、と思う)。

 老人は歩くのが遅くなる、ギタリストは速弾きできなくなる(速く弾けるのが、
そんなにすごい? グールドの「ゴルトベルク」みたいに遅く弾ける方がすばらしい
と思うけれど)、小説家や映画監督もテンポや構造がゆるくなる...と、「チョール
フォント荘の恐怖」の長ったらしさは晩年の作だからと証明したかったのだが、
列車がまるで生き物のように描写される、力の入った作品「列車の死」が1946年、
「チョールフォント荘の恐怖」の4年後なのに気がついた。
 「チョールフォント荘」は、たんにうまく行かなかった(と思われる)作品なのか。

 仮説が証明できなかったら、それこそフレンチ警部みたように次の仮説を立てる、
あるいは僥倖を待てばいいのだろうが、事実は小説とちがうので、ここで破綻・停止。

 「フレンチ警部最大の事件」は、なかなか姿を現さないダイアモンド泥棒・殺人犯を
追って、フレンチ警部は仮説と実地検証とを繰り返し、捜査のために何度も大陸に渡る。
クロフツにしては場面展開が速くて多くて、派手な感じがする。待ち時間も退屈せずに
すんだ。

 夕方、帰ってきてからも夜、横になってからも読み、犯人が登場するのは明日(つまり
今日)になってからかと思って寝たら、丑三つ時、猫が吐く音がする。起きて始末して、
ついでに残りを読み終えた。

     (F・W・クロフツ/田中西二郎 訳「フレンチ警部最大の事件」
     創元推理文庫 1981年7版 J)


 澤藤統一郎の憲法日記からは、何を今さら、「高校生のデモ参加容認」と、
「日の丸・君が代」と戦争との結びつきの切実なリアリティも。

 これも前に書いたと思うが、どうしても国歌が必要なら、四季に合わせて童謡を
使ったらいい。春は「さくらさくら」、夏は「夏の思い出」とか。
 国旗が必要なら、白といわず無彩色地に、赤系統の円ないし楕円・一個を描いた
ものなら何でもいい、とする。円や楕円を一個に限定するのは多数にすると草間弥生
になるからで、スチール・グレイに小ぶりなショッキング・ピンクの円をあしらうなど、
女の子にもゲイにも好まれるデザインではないか。多様性を重視する世の中でしょう?!
 放射能雨や排気ガスで真っ白とはいえない、シミ点のある白地に、何やら安っぽい
染色の朱赤色の円がどんと乗っかってる日の丸は、ちっともうつくしくない。





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by byogakudo | 2015-10-07 17:26 | 読書ノート | Comments(0)


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