2015年 11月 19日
~11月18日より続く 一文が一枚の写真に当たる書き方をしているのではないか、 と思いつく。 一枚の写真はひとつのフレームで世界を切り撮る。ひとの視野 はもっと広いか狭いかするが、一回のシャッターで切り撮れる枠は 決まっている。フレームの外はその一枚には存在しない。見えない。 同じように、一文に切りとられた(記述し得る)世界は、一文だけ の世界であって、一文の外というものは存在しない。読めない。 一文で記述されるものやことは明晰なのに、続いていく文章、さらに 段落へと続くと、全体像がおぼろげなものになるのは、そういう手法で 書かれているからではないかしら。 (合田佐和子は遠視なので、世界が遠くまで見え過ぎて、描こうと すると、どこまで細かく遠く、描けばいいのか判断できなくなったが、 ある日、写真を元に描けばいいのだと気づいて描けるようになった、 という話を読んだことがある。) 一文が一枚の写真であるならば、アナロジーとして連射も思い浮かぶ。 一文、次の一文、ひとつの段落に続く次の段落、と連射されると、語ら れる世界の全体像(と思えるもの)が少しずつ見えてくる。 さらにアナロジカルに、映写速度を落とした、ひとコマずつを不自然な までに明瞭に見せるやり方、も思いつく。 (ベルナール・ラマルシュ=ヴァデル/鈴木創士・松本潤一郎 訳 『すべては壊れる』 現代思潮新社 2015初 帯 J) 11月20日に続く~
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by byogakudo
| 2015-11-19 20:10
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