猫額洞の日々

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2015年 11月 24日

吉田暁子『父 吉田健一』を読み始める

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 タイトルの『父 吉田健一』は、ジャケットでは"父"と"吉田健一"の
間が少し開いている印象だが、目次と奥付では『父吉田健一』と、くっ
ついている。どっちにしようか迷ったが、読みやすいように、半角開け
にした。

 第一章『まっすぐな線__父のこと』に、娘が大人になって、一緒に
お酒を飲んだ夜のことが書いてある。

 ヴェルレーヌの詩を、
<父は何度も繰り返して、響きの稀な美しさに浸り、問いかけていた。
 その晩は父も私も静かな心持で、何も言わなくても時間は流れていた。
 二人がそれぞれ二階に上って、私は父が寝に行ったものと思っていたが、
 やがて父が書斎から出てくる音がして、私の部屋のドアの下に何かが
 差しこまれた。見ると紙切れで、ヴェルレーヌの詩の十四行が書かれて
 いた。この紙切れは私には宝で、パリに勉強しに行った時も持っていった
 はずで、どこかに紛れてしまったのはパリでだったろうか。>(p17~18)


     (吉田暁子『父 吉田健一』 河出書房新社 2013初 帯 J)

11月25日に続く~





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by byogakudo | 2015-11-24 20:36 | 読書ノート | Comments(0)


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