猫額洞の日々

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2015年 11月 28日

小林信彦『おかしな男 渥美清』中に土屋伍一の?記事あり

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 小林信彦は1961年にTVの仕事で渥美清と知り合っている。
寅さんシリーズ以前、名前は売り出したが、スターになれるか
どうか分からない時期である。

 1962年2月、森繁劇団の旗揚げ公演が宝塚劇場であり、渥美清
も二つの芝居に出演した。森繁久彌の回想によれば、

<万座を圧倒したのは渥美清である。恐らく浅草から丸ノ内の
 劇場へ来て、これが初めての芝居だろう。/ともかくウケる
 ので渥美は毎日シャカリキで>演じていたそうだ。

< ぼく[注:小林信彦]が楽屋に顔を出したのはこの芝居の途中
 から次の幕が上る間だった。
 <シャカリキ>のあとのせいか、彼[注:渥美清]は疲れた表情で
 いた。楽屋は東宝の脇役(わきやく)の田武(たぶ)謙三(けんぞう)
 (一九一四~一九九三)と同室で、田武は白衣の男にマッサージを
 してもらっていた。
  渥美清は小声で、
 「あのマッサージの人ね。高見順の『如何(いか)なる星の下に』
 のモデルになった人だよ」
  と説明した。
 「如何なる星の下に」のどの人物かは忘れたが、おそらく戦前の
 浅草の芸人であろう。
  かつては華やかだったであろう芸人が、昭和三十七年[注:'62年]
 になって、上り坂の芸人を丸の内の劇場でマッサージする。さながら、
 モーパッサンか永井荷風の短篇のような光景であった。>(p29~31)

 誰とは明示されていないが、これは土屋伍一の目撃談ではないだろうか。
(まだ『如何なる星の下に』を読んでいなかった!)

     (小林信彦『おかしな男 渥美清』
     新潮文庫 2003初 J)

12月1日に続く~





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by byogakudo | 2015-11-28 21:19 | 読書ノート | Comments(0)


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