猫額洞の日々

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2015年 12月 09日

山田稔『スカトロジア(糞尿譚)』再読中(たぶん)

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 おととい(7日月曜日)、久しぶりに高円寺北口を歩いた。
むかし、散々っぱら歩いた辺りが、様子が変わり過ぎて分から
なくなっている。

 前を通ったことはありそうな古本屋「雨の実」の均一台に
山田稔『スカトロジア(糞尿譚)』(講談社文庫)を見つけて買う。
 初めて入った店内は、狭さをものともしない、びっしりした
棚作りだ。ちくま文庫や講談社文芸文庫が、それぞれ一棚ずつ
占めている。

[2016年4月4日訂正:
 テントに残っている「雨の実」の名称は、店舗が花屋さんだった
ときのもの。古書店の名前は「十五時の犬」!]

 たぶん、むかし単行本で読んで棚に出してすぐ売れた、と思う
けれど、どうせ何ひとつ憶えていやしないから、再読とは初読に
等しい。
 読み始めると、やっぱり何ひとつ憶えていない、あくまでも
軽やかに記述される糞尿譚だ。

 『垂れながし』では、バルザック『風流滑稽譚』中の『ルイ十一世
飄逸記』が紹介されている。ボウペルチュイ夫人が僧正や近衛隊長など
にふるまう料理に下剤を混ぜ、しかも、トイレットに行かせないで苦し
める、いたずらの話である。いたずらの範囲を超えていると、わたしは
思うが。

 次の『エセ食糞譚』には、今昔物語を種本とする、谷崎の『少将
滋幹の母』や『乱菊物語』での、美女の丁子製・ウンコの作り物の話
があってから、

< それにしても、昔の女は、とくに美人は、洋の東西を問わず、
 どうしてかくも愉快な趣向に富むいたずらを考えついたので
 あろう。
 [注:バルザックのボウペルチュイ夫人も、今昔物語の本院の
 侍従も]
 けだしこの二人は、女スカトローグの東西両横綱と呼ぶべきで
 あろう。彼女らの工夫を比較して、さて、読者はいずれに軍配を
 あげるであろうか。>(p85)と、結ばれる。

 だけど、どちらも男(の作家)の願望が創り出した"女スカトローグ"
でしょ? 女が自ら(面白がって)スカトローグになることがあるだ
ろうか?
 もしいたとしても、女は抽象化能力が高くないから、猥談と糞尿譚の
話手には不適である。どちらも観念的な話題だもの、女向きではない。
 と、この場合には、いたく性差別的になるわたくしである。

     (山田稔『スカトロジア(糞尿譚)』
     講談社文庫 1979年4刷 J)

12月11日に続く~





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by byogakudo | 2015-12-09 19:57 | 読書ノート | Comments(0)


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