2016年 01月 03日
昨日・今日と続けて、どちらも1時間強の散歩。昨日は中野区・上高田 方向、「古本案内処」停泊。 わたしは、前回、ひとりで行ったとき買おうかどうか悩んだ、鹿島茂 『空気げんこつ』(200円+消費税の本である)、同じく鹿島茂『蕩尽王、 パリをゆく 薩摩治郎八伝』(これも前回悩んで、まだ棚に残っていたから 買った)に、ジュリアン・グラック『アルゴールの城にて』。 Sは、どれも文庫で、吉田健一『新編 酒に呑まれた頭』、島尾敏雄 『夢の中での日常』、長谷川伸『印度洋の常陸丸』を買った後に、 竹中労『断影 大杉栄』を追加。 積ん読本が溜まってきて、やや急かされる感もあるが、足りないよりは いいじゃないか、ということにしよう。 今日は中野区・東中野方面。春先の気温だと天気予報は宣う。だが、 コートやマフラーは欠かせない。日陰が寒いのだ。冬は冬である。 今年はお正月休みと週末が重なって、3日なのに東中野・上島珈琲が 開いている。けっこう混んでいるが休憩できた。 鹿島茂『空気げんこつ』(文春文庫)は、1992年から98年にかけて 雑誌等に書いたエッセイをまとめて、98年10月に出版された単行本 『空気げんこつ』(文春ネスコ)を加筆・訂正、新たに4編を加えて文庫化 したもの。今年は2016年だから、各エッセイは約20年前の風俗資料と して読むことができる。 "コギャル"や"ギャル"は、いまだ棲息しているだろうか? バブル経済が潰え去った後、長く長く不景気の下り坂を降り続け、不況が 常態になり、どこまでも続く下り坂の果てに、安倍晋三と日本会議の落とし穴 が待っていると、20年前に予想できただろうか。 タイトルの"空気げんこつ"は、薔薇十字団のガイタ侯爵が、ブーラン師たちに 夜な夜な送り続けた"呪いの流体"の鹿島茂・訳語である。 鹿島茂の場合、日常で出会ういやな奴に向けて"空気げんこつ"を送っても 効果は見られなかったが、 <テレビやジャーナリズムなどを賑(にぎ)わしている有名人には恐ろしいほどの 効き目があった。どうやら、「空気げんこつ」は直接利害関係のない人に対して だけ効くようである。>(p4) 政治屋どもは"直接利害関係のない人"かどうか、微妙なところだ。でも、呪い 続けよう。奴らがくたばるまで。 (鹿島茂『空気げんこつ』 文春文庫 2001初 J)
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by byogakudo
| 2016-01-03 21:07
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