2016年 03月 12日

『石黒コレクション集』刊行年を推理した(!)

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 さっき伊呂波文庫に行ってきた。文庫本3冊と、表紙に
『石黒コレクション集』と書かれただけの石黒敬七コレク
ション・カタログを買った。

 まだフルカラーではない。ほとんどが穏やかなモノクロームで、
全54頁中、カラーは8頁きりだが、印刷のトーンがやわらかで
好もしい。今の常識ではフルカラーじゃないカタログ、というのが
不可解かもしれないが、むかしはそんなものだった。

 そこで、これはいつ頃の"むかし"のカタログか、という話になった。
おおらか、おおまか、おおざっぱ、そういう編集方針としか思えない
構成のカタログである。

 背表紙は、褪せたのではなく最初から何も印刷されてなかった様子、
裏表紙は全面、サントリーゴールドクレストの宣伝。
 表紙には、上横に手書き文字で<石黒コレクション集>、文字の下に絵が
描かれ、絵右に同じ手で、<古代ペルシャ木時計>、左に<石黒敬七>と印。

 開けると、左頁にいきなり、
<ちょっとコマーシャル>とコピーが入り、<ゆう・もあ村村長 石黒敬七>
の、ゆう・もあ村紹介があり(ゆう・もあ村は現存しないようだ)、右頁は
ホテルニューオータニの全面広告。
 真っ白な遊び紙なんて存在させない方針か。

 次のページでやっと、石黒敬七の<ごあいさつ>(左頁)、右頁が<目次>
である。<広告 (順序不同)>と題して、広告頁まで紹介する目次である。
本文の流れの中に、悠々と全面広告頁が入る。広告に使われたイラスト
レーションのタッチから見ると、1970年代前後だろう。

 しかし最終頁まで来ても、刊行年と出版社名が出てこない。どこにもない。
おおらかさも問題じゃないかしら?

 日本の古本屋の検索欄に<石黒コレクション集>と打ち込んでみた。
 どの古本屋さんも刊行年や出版社が特定できないで、苦労されている
ようだ。出版社名の代わりに、最終頁に広告を出している日商PRセンター
の名前が出ているが、ここの営業種目に<ポスター・カタログ>とあるし。
 ふむ。

 もう一度、本文を見直してみる。と、鍵はホテルニューオータニの全面
広告にあった。
 <ホテル ニューオータニが東京に生れて2年
  すでに3,500,000人のお客様をおもてなしいたしました。>
というキャッチコピーだ!
 wikiでホテルニューオータニを調べると、1964年9月1日、営業開始。
それから2年だから、このカタログは1966年の刊行物だろう。

 石黒敬七が関係したことのある会社に万遍なく声をかけて、広告費で
制作されたカタログなのだろう、たぶん。
 <東京 渋谷 北谷町>の飛龍閣、国土開発株式会社の<森と湖の国
軽井沢 レイク ニュー タウン>、<世界に伸びる *竹山のオルゴール*>
などなど、本文同様たのしい。

[同日訂正:
 Sが裏表紙下の小さな文字、<企画製作・(株)日商PRセンター>
 を発見! よって、このカタログは1966年/日商PRセンター刊行、
 でいいのでは?]





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by byogakudo | 2016-03-12 20:36 | 読書ノート | Comments(0)


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