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猫額洞の日々

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2016年 03月 24日

吉村昭『わたしの普段着』半分強

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 粉川哲夫 編『花田清輝評論集』(岩波文庫 1993初 J)を読み出したら、
これが退屈で__花田清輝は煉獄期にいるのではなかろうか? もう少し
経てば、スタイリッシュな文体のエッセイストなり何なり、の評価に落ち
着くかもしれないが、目下はアク抜き不足に思われる。桑原武夫・批判を
読んでも、わたしの年齢でさえ、桑原武夫? ああ、と、どこらが批判
されているのか、なんとなく見当がつく有り様で、ここらの前提的な知識
すら忘れられたころ、スタイリストとして屹立するかもしれず、そのまま
忘れ去られるかもしれない。__、何かないかしらと、何もないB・Oを
覗いてみた。

 108円棚で、吉村昭『わたしの普段着』と更科源蔵『北海道の旅』
(新潮文庫 1979初 J)を買う。
 吉村昭は子ども時代のことを書いたエッセイしか読んでいない。
更科源蔵は店に何かあったけれど、とうとう読まなかった。

 読み出してみると、吉村昭は芯のきつい作家、という印象。落ち着いた
口調で語るけれど、けして穏和とはいえなさそうで、まあ、癖のない作家
なんて存在しない(はずである)。

     (吉村昭『わたしの普段着』 新潮文庫 2008初 J)

3月25日に続く~





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by byogakudo | 2016-03-24 16:38 | 読書ノート | Comments(2)
Commented by saheizi-inokori at 2016-03-24 21:56
その芯のきつさに気がついて好きになったのが60過ぎでした。
Commented by byogakudo at 2016-03-25 00:09
吉村昭の世代までは、"作家"という職業・人種が確定して
いたけれど、今は、"作家さん"の時代になってしまった
ように思います。


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