2016年 04月 14日

町山智浩『99%対1% アメリカ格差ウォーズ』半分

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 バナナ・リパブリック・日本国の市民として、やはり宗主国たる、
アメリカ合衆国について知らなくては。
 敗戦から71年目、その間、政府はずうっと宗主国の意向しか見て
来なかったし、アメリカのコピーキャットしてれば政権は安泰と、
信じていたようであるが、難破しそうな船からはネズミも逃げ出す。

 文庫版まえがきで要領よくダイジェストされているが、雑誌「クーリエ・
ジャポン」に連載されたコラムである。2009年のオバマ大統領就任から、
大統領選挙のある2012年夏までのアメリカの政治的動向のレポートだ。

 2009年4月、税金申告締切日に、ティーパーティという集会が全米で
開かれた。スローガンは「累進課税をやめよ」「公的医療保険は社会
主義だ」。ティーパーティは、右派の草の根運動ではなく、コーク・
インダストリーズという石油化学コングロマリットに操られている。

 2010年、オバマの医療保険改革法案の審議が始まる。法案が通過、
オバマ大統領が署名。
 同年秋の選挙で、共和党主流派は極右・ティーパーティ派議員に
予備選で破れ、共和党の右傾化が進む。

 2011年夏、アメリカは債務不履行寸前に追いつめられる。
 同年秋、「ウォール街を占拠せよ」運動が始まる。「上位わずか1%の
大富豪たちがアメリカの富の4割を独占している! 残り99%の我々は
どうなる?」「金持ちに増税しろ!」「すべての人に医療保険を!」__
彼らは本当の草の根運動で、大企業のバックはない。

 2012年の大統領選挙、共和党の候補を決める予備選の途中までが
雑誌でのリポート(文庫版もここまで)。文庫版まえがきに、その後が
記される。

 ハゲタカ・ファンド出身のミット・ロムニーが金融業界の支援を受けて
オバマと戦い、惨敗。隠し撮りヴィデオで、
<「米国民の47%はロクに税金を払っていない。彼らのことなど気に
 しない」と、貧困層切り捨てをはっきり口にしたわけですが、それは
 ティーパーティ運動家たちのスローガン「我々は53%だ(税金を払っ
 てる立派な国民だ)」を意識したものでしょう。>(p11)

 オバマが再選されたが、議会の多数派、共和党・ティーパーティ派は
2013年11月、再び、オバマの予算案に不同意。連邦政府が機能停止。

<オバマの足を引っ張るならアメリカを潰してもかまわないという一種の
 自爆テロですが、実は、この戦略を考えたのはヘリテージ財団という
 シンクタンクで......。>(p11)
 
 今日付け東京新聞・朝刊、第6面にユニセフ・レポートが出ている。
OECDやEU加盟の41カ国で、子どもがいる世帯の所得格差を数値化した
もので、格差が小さい方が上位である。

 1、2、3位はノルウェー、アイスランド、フィンランド。15位が韓国、
30位がアメリカ、34位が日本。39、40、41位がメキシコ、ブルガリア、
ルーマニアである。子どもたちに関しては、日本はアメリカより貧富の差
が激しい。

     (町山智浩『99%対1% アメリカ格差ウォーズ』
     講談社文庫 2014初 J)

4月18日に続く~





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by byogakudo | 2016-04-14 21:50 | 読書ノート | Comments(0)


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