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猫額洞の日々

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2006年 01月 10日

「推理文壇戦後史 2」

(山村正夫 双葉文庫 84初)を端本で見つけて、昨夜から読み出す。仁木悦子の
乱歩賞受賞あたりから始まっている。ということは、山田風太郎に関する項は
第1巻にあるのだろう。いつか読んでみたい。

 「ゴシップでつづる戦後のミステリ文壇」でもある。
 <「現代のスリルを語る」座談会こぼれ話。江戸川乱歩の前でゲイボーイを殴った
石原氏>なる小見出しに惹かれて読んでみる。

 乱歩編集による「宝石」誌座談会「現代のスリルを語る」の後、石原慎太郎が
乱歩に二次会に誘われる。ゲイバー「ブランズウィック」(山村表記では
「ブランシック」)に連れられて行き、最初は愉快そうに飲んでいたのに、
   <ゲイボーイが馴れ馴れしくしなだれかかったとたん、いきなり飛び上がる
   ように席を立ち、
    「気持の悪いことをするな!」
    と叫びざま、相手の横面を思いきり殴り飛ばしてしまったのである。>

 オッ、オウー! 後日 同席していた山村正夫宛に丁重な詫び状が届いたそうだが
それはどうでもよくて、問題は、石原慎太郎は男に在るホモセクシュアリティーを
あくまでも否認したいのだろうか、という点にある。
 文学者であるならば、そこらの自己分析なしに書き続けることはできないと思う
のだけれど、石原慎太郎は詫び状を認めながら、社会人の儀礼以上の事柄に
思いを馳せたのであろうか?

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by byogakudo | 2006-01-10 16:38 | 読書ノート | Comments(0)


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