猫額洞の日々

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2016年 06月 20日

ポピュリストの発話心理、麻生太郎 編+α

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 俺は大衆に痛みをもたらす財政改革派だぞ、ポピュリスト呼ばわりは失敬だと、
麻生太郎は言うかもしれない。しかし彼の思想(?!)たるや、後ろに潜むプロン
プタ、役人どもの付けてくれる台詞を真に受けて自分が前からそう考えてきたと
勘違いしているのではないことを、彼は証明できるのか。あの日本語力で。

 発言の一部だけ取り出し、あげつらってと、不満があるかもしれないので、
知られる限り発言の順序に従って、東京新聞、2016年6月18日(土)朝刊3面
から引用していこう。
 漢数字は洋数字に変え、発言順にナンバリングした。

 発言日は6月17日(金)、場所は、北海道小樽市、自民党の集会である。
目の前にいるのは身内だからと、ここでまず副総理兼財務相・麻生太郎は
油断する。発言がこの場限りで、外部に漏れないと(なぜか)思ってしまう。
 党員を喜ばせるようなことを言わなくちゃなと無意識に、あるいは第二の
本能化したサーヴィス精神が起動する。こういう心理をポピュリスムという。
 
<国内で1700兆円を越す個人金融資産があるとして
 (1)「みんながじーっとしているのが、今最大の問題だ」と指摘。
 (2)「あったらその金は使わなきゃ、何の意味もない。さらにためて
 どうするんです。さらにじーっと眺めているわけですか」と話した後、
 この発言
 [注:(3)「九十になって老後が心配とか訳のわからないことを言って
 いる人がテレビに出ていたけど、いつまで生きているつもりだよと思い
 ながら見ていた」]をした。
 [略]
 (4)「私のばあさんは、一切貯金はせず、金は息子と孫が払うものと
 思って、使いたい放題使ってました」と話した。>

 問題視された(3)について言えば、麻生に馬鹿にされる大衆側の
問題もある。

 戦時中も戦後も、何かことが起きても政治権力は大概、助けて
くれないと思い知っているだろうに、自分自身に害が及ばない限り、
傍観視し、文句を言おうとしない。天災と人災をごっちゃに考え、
すぐ諦観して忘れる。そのほうがエネルギー消費量が低くて当座、
楽だから。
 駝鳥が砂嵐を避けるように、おとなしく目立たないようにしていれば、
いつか嵐も過ぎ去ると信じているのかしら。
 そんなことしてるから、権力はさらに図に乗り、圧迫してくるのだし、
問題は層をなし、絡み合ったまま堆積する。弱者を自認して怠惰に耽り、
課題を先送りしてしまった責任をとらないで、後世に処理を頼む。だって
弱者が頑張ってもどうにもならないと、謙虚(!)な人柄だもので。
 恥ずかしいという自意識もないのだろうか...。
 
 政治権力が弱者の味方になるのは、選挙のときだけ、当選してしまえば
無視していいと思われているのに(いちおう、投票してくれたファンクラブ
ではない、後援会メンバーに対しては、観劇会とかのお礼をするが)、
なぜか性善説、悪いようにはしないだろうと期待していれば願いは叶うと
信じているなら、それはたんに愚かだ。
 しかし無意識に、政治は何もしてくれやしないと分かってもいるから、
90歳になろうが老後不安を抱えるのである。

 発言(4)に関しては、麻生家のように代々お金持ちなら、安心して使い放題
できる。
 右肩上がりの経済成長が不可能な時代、仕事のない子どもや孫のいる老人に
とって、先には不安しか見えない。多少なりとも残してやれたらと願う。残す
まではできなくとも、自分の入院費や葬式代を準備していたい、子どもや孫に
迷惑をかけられないと思う、その切実さは、麻生太郎・類には想像できない
世界である。


 6月15日(水)東京新聞、朝刊25面、斎藤美奈子のコラムからも引用。

 安倍晋三が5月16日の衆院予算委員会で
<「私は立法府の長であります」と述べた>が、
<この発言が議事録から削除され>、さらには
<「行政府の長」に修正された>そうな。

 2月17日、参院憲法審査会での自民党・丸山和也の
<「アメリカは黒人が大統領になっているんですよ。これは奴隷ですよ」>
発言は、
<5月11日、オバマ米大統領の広島訪問が発表された翌日に、
 「奴隷」の字句を含む部分が削除されたのだそうだ。>

 4月7日の衆院総務委員会で、略称"お維新"の安達廉史は、
<「民進党は、あほじゃないかと思います」などと述べた[略]
 「国会の品位に関わる」として民進党は議事録からの削除を
 求めたが、足立氏は拒否したという。
 [略]
 発言者が反省して発言を撤回した場合に、議事録から削除
 されるらしい。
 [略]
 発言者への温情か、不都合な事実を隠蔽(いんぺい)する工作か。
 だいいちそんな記録に意味がある? 合理的な理由を知りたい。>
 

 梟通信〜ホンの戯言 6月20日では、樋口陽一  小林 節『「憲法改正」
の真実』が紹介されている。

 <フランスの現行憲法16条には、非常事態に際して大統領に権限を集中
 するという規定があるが、それはドゴール政権のときにアルジエリアで
 内乱が起きたときに一度だけ発動された(パリのテロは内乱ではない)。

 その後、与党が選挙で負けるかもしれないという情勢のなかで、もういちど
 16条を使おうという議論が出始めた。それを「化け物のような誤り」として
 押しとどめたのはドゴール派内部からの声だった。

     野党を勝たせ国を危くすることが起こったとしてもそれは
     有権者の権利なのだ。自らを救う権利は自らを滅ぼす権利を
     必然的に伴うのであり、それこそが「自由の恐るべき偉大さ」
     なのだと説く正論(ルネ・カピタン)が通った。


 こういう合理的思考が、わたしは好きだ。





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by byogakudo | 2016-06-20 22:08 | 雑録 | Comments(0)


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