猫額洞の日々

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2016年 07月 30日

鈴木創士『分身入門』が届く

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 今朝、郵便受けに鈴木創士『分身入門』を見つける。
早速取り出し、眺める。本を手にしたときの、最初の喜びだ。
 触れて、眺めて、(無意識に紙のにおいを嗅ぎ)、ぱらぱらと
ページを繰って目に入る活字を読む。紙の本にはボディがある、
コーヒーやワインと同じように。

 webで紹介されていた不思議な面持ちのジャケット画像が、
ヨハンネス・グンプJohannes Gumpp「自画像」(1646年)
だと知る。17世紀・オーストリアの画家だそうだ、wikiで見ると。

 真ん中に自画像を描く画家の後ろ姿、右には描かれた自画像、
左には鏡に映る画家自身の顔が描かれている「自画像」の前には、
いまは後世のわたしたちしか立っていないが、1646年当時には
画家、ヨハンネス・グンプ自身が立って描き続けていた、という
ことなぞを考え始めると、めまいがしそう。

 装丁がわくわくさせる。黒っぽい地色に金色でタイトルと作者名、
「自画像」も金色の二重の円に縁取られる。帯と見返しが砂漠の色。
 ジャケットを外して本体を見ると、ジャケット画像のネガ版が青み
がかった緑色__わたしは少し色弱らしく、緑と青の境が曖昧で、
境界近くでは緑と青を逆に感じとる。__の堅固な存在を見せ、
このやや不吉さを感じさせる色は扉に及ぶ。

 まだ読んでないじゃないかって? 紙の本を読むことは、感覚に訴える、
これらの玩味行為から始まる。言い換えればフルボディを味わうこと。
電子書籍にない要素である。

     (鈴木創士『分身入門』 作品社 2016初 帯 J)





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by byogakudo | 2016-07-30 20:41 | 読書ノート | Comments(0)


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