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猫額洞の日々

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2016年 09月 11日

劇団フーダニット 第16回公演『夜の来訪者』を観る

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 2015年3月8日以来の船堀行きだ。今回もイギリス・ミステリ系。

 前回、クリスティ『予告殺人』のときは予習できなかったが、今回は
8月20日に読んだばかり、さらにその文庫本を携えて地下鉄に乗った。
 ロビー待ち合わせのミステリのお師匠さんもバッグに入れてらした。

 13時開演。タワーホール船堀 小ホールは、幕の上げ下げができない
作りなのか、暗転と音響効果で舞台をオンオフする。

 舞台全面を覆い尽くして黒いドレープが垂れ下がっているので、奥行きが
前回より狭まっているように見えるが、たぶん同じ広さなのだろう。密閉感
が強調される。
 黒い襞の上手寄りに狩猟風景を描いた絵画が下げられ、ブルジョア家庭の
食堂であることを示す。
 上手は二筋に別れる。客席に近い側の黒いドレープは玄関への通路を示し、
奥は女中(メイド)の出入りに用いられる。下手は主人たちの居室。

 台詞のやりとりが火花を散らす作品なので、どんな演出が成されるか、興味
を持っていたが、活人画風の演技と、動きを止めたときのピンスポットの活用、
という手法であった。

 食事を終えた直後で始まる舞台だが、一家の息子は、しばらく客席に背中を
向けたまま、というオープニングが刺激的だ。

 食卓を小さめにして、役者たちが動き回れる空間が確保されている。告発する
天使と言えるグール警部は、ほとんど上手に立ったままで、冷静に無慈悲に、
訊問に動揺して文字通り右往左往するブルジョアたちを見続ける。

 今回も面白く観劇。ありがとうございます。

     (劇団フーダニット 第16回公演『夜の来訪者』
     J・B・プリーストリー/松坂春恵 訳・演出
     2016年9月11日 於:タワーホール船堀 小ホール)



 お師匠さんに、
 「『不死蝶 岸田森』文庫版、お持ちですか?」
 「まだ読んでないけど持ってます」
 「岡本喜八の文庫本、2冊出てますけど、よかったですよ」
 「えっ、どこから?」
 「ちくま文庫です」





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by byogakudo | 2016-09-11 21:49 | アート | Comments(0)


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