猫額洞の日々

byogakudo.exblog.jp
ブログトップ
2016年 09月 14日

(4)小畑貴一・田辺友貴 編『不死蝶 岸田森』1/2

e0030187_17452658.jpg












~9月13日より続く

 『第三章 脚本』『帰ってきたウルトラマン 第35話「残酷!
光怪獣プリズ魔」』は、朱川審こと岸田森による脚本だ。

 "光の塊、物質の近くにまで凝縮した光"(p119)の怪獣、
プリズ魔。

<郷 「奴は光に飢えているんです。[略]光を吸収して強力な
  破壊力を持つと、さらに多くの光を必要とする。昼間現れ
  ないのも、太陽の光で間に合っているからでしょう」
 伊吹 「そうやって、地球を徐々に食いつぶしてしまうんだ。
  どうやったらあいつをたたきつぶせるんだ......」
 南 「とにかく、夜はどこでも光を出さないことですね」
 上野 「現在の文明社会でそれは不可能だよ。夜、あらゆる
  都市とあらゆる場所で光を使わずに人間が生きていけると
  思うか」>(p119~120)

 闇夜では生きていけないという台詞は、この当時なら、第二次
大戦中の灯火管制の記憶を呼び起こすだろう。
 3・11以後では、一時的にしか持てなかったけれど、わたしたち
の薄暗い夜を思い出す。夜は、あれで十分な灯りだった。
 プリズ魔は資本主義の貪欲さのメタファに読める。

 野球場にプリズ魔を誘い込んで、冷却凍結させる作戦が取られる。

<郷 「そうだ! 奴の中にはいり込むんだ! そして中から......
  (スペシウム光線放出の構え)おそらく絶対温度以下の効果がある
  はずだ。[略]」
 [略]
  ウルトラマンがプリズ魔の内部からスペシウム熱光線を発射する。
 [略]
 南の声 「わかった。絶対温度以下に冷すかわりに、できるかぎり冷却
  したところから、急に温度をあげて、その落差をつくっているんだ」
 [略]
 郷の声 「一か八かの賭けだった。ギリギリの賭けだったんだ」>
(p127~129)

 このエンディングは、神風特攻隊や自爆テロの論理を、どうしても
思い出す。

 『ウルトラマン』も『ウルトラQ』も『怪奇大作戦』も、オンタイムで
見なかったのを残念に思う。

     (小畑貴一・田辺友貴 編『不死蝶 岸田森』
     ワイズ出版映画文庫13 2016初 帯 J)

9月15日に続く~





..... Ads by Excite ........
[PR]

by byogakudo | 2016-09-14 20:32 | 読書ノート | Comments(0)


<< (5)小畑貴一・田辺友貴 編...      (3)小畑貴一・田辺友貴 編『... >>