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猫額洞の日々

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2016年 09月 19日

新高円寺 ロック喫茶「ベルリン」(?)1975年ころ(?)

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 写真は、たしか9月12日(月)に会った猫。関東バスを終点・五日市
街道営業所で下りて、成田西〜荻窪方向に歩いたときだったか。
 車上に背中が見えるだけのもう一匹(ロシアンブルーの右側に伸びて
いる、分かりづらい物体X)は、ぐっすり眠り込んでいたが、この子は
身体をなめ終わるとやってきて、「久しぶりー」と言わんばかりに身体
をこすりつけながら、わたしたちの脚の間を廻った。

 今日も微雨の中、傘をさして近くを歩く。濡れるのは嫌いだが、まるで
梅雨が延長して秋雨になってるような近頃では、そうも言っていられない。

 記憶はひょんなことから浮上する。住宅地を歩きながら、もう営業を止めた
らしい会社の名前を見たとき、Sはナポ(というアクセサリー作りがいた/いる)
との散歩を思い出した。
 歩きながらナポが、不思議な響きを持つ言葉を口にする。聞き返すと、近くの
看板に書かれた奇妙な商店名を指差すが、その名称はナポによって誤読されて
いる。誤読のせいで、さらに精妙で不思議な響きになっている。

 そして、青梅街道に面した、短い間しか存在しなかった喫茶店「ベルリン」
__という店名だったとSは覚えているが、ちがっているかもしれない。__
を思い出す。1975年ころだろうか。わたしはまだSに会っていない。

 地下鉄丸ノ内線・新高円寺と東高円寺の間のどこかに、小さなロック喫茶が
ある日、できていた。青梅街道に面して、窓にはルー・リード「ベルリン」の
ジャケットが、陽に褪せて飾られていたような気がする、という遠い儚い記憶
である。(だから資料的には読まないでもらいたい。)
 「ベルリン」やボウイー、イーノなどがかかっていたので、Sたちが行くように
なった。

 Sがナポと入る。ナポは喋っている間中、ベージュ色のテーブルに直(じか)に
黒いボールペンで絵を描いていた。市松格子の床に立つ少女像だが、パルミ
ジャニーノの凸面鏡に映った世界に通じるような(?)描き方だったらしい。
 直に描いちゃってるなあと気づいたが、思考と話す言葉と手の動きとが
連動していて、止められなかったのだろう。

 また来てみると、その絵が拭き消されることなく、卓上にパウチして保存
されていた! 地味でおとなしい印象の夫妻でやっている店だったが、店主が
絵を気に入ったので、保存を試みたのだ。
 青梅街道沿いに住まうM画伯(森山氏)も入ってみて、
 「ナポの絵があったよ!」
 
 今こんな話を読むと、嘘だろうと思われそうなエピソードだが、むかしの
のんきさでは事実、起こった事柄だ。
 もはや夢の記録にも近い記述だけれど。

 微雨が弱雨になったのでジャズ喫茶「ジニアス」を諦めて、部屋に戻る。

 帰るさ、頭の中でJoey Ramone & Ronnie Spector - Bye Bye Baby
を聴いていた。





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by byogakudo | 2016-09-19 22:06 | Comments(0)


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