猫額洞の日々

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2016年 10月 04日

(3)桜井哲夫『「戦間期」の思想家たち レヴィ=ストロース・ブルトン・バタイユ』もう少し

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~10月3日より続く

 『第4章 バタイユと「民主的共産主義サークル」』より__

 前章『第3章 ブルトンとトロツキー、そしてナジャ』でも触れられて
いるが、"「戦間期」の思想家たち"の恋愛状況である。

 バタイユがロールと初めて会ったとき、ロールことコレット=ロール=
リュシエンヌ・ペニョはボリス・スヴァーリンとつき合っていた。
 シルヴィア・マクレスと結婚中のバタイユは、
<スヴァーリンとペニョの運営する「社会批評」の同人>(p169)になる。

 バタイユは「社会批評」第三号に、クラフト・エビング『サイコパティア・
セクスアリス』翻訳の書評を書いたが、
< すると、これに対して、ジャン・ベルニエが第四号で反論を寄せたのだ。
 思えば、不思議な話なのだが、ジャン・ベルニエは、「社会批評」誌の
 出資者でスヴァーリンの愛人であるコレット・ペニョが、かつて愛して
 自殺未遂事件まで起こした相手なのだ。>(p171)

 ベルニエとスヴァーリンは<共産党創設のころからの運動仲間>(p171)
である。
< このような長年のつながりのせいか、コレットの元愛人であるベルニエを
 スヴァーリンは、「社会批評」誌に受け入れていたのである。さらに後の
 ことになるが、コレット・ペニョは、バタイユがスヴァーリンから奪って
 自分の愛人にするのだから、この三人の関係は実に不思議というほかは
 ない。>(p172)

 (この章の終わりには、当時のバタイユ夫人、シルヴィア・バタイユが映画
女優になり、のちにジャック・ラカンと結婚する話もつけ加えられている。)

 著者・桜井哲夫が、どこを不思議がっているのかが分からない。それに、
<スヴァーリンから奪って自分の愛人にする>という言い方では、ロールの
意志が存在しないではないか。マチスモではなくって?

 どんな時代でも多数派になじめない少数の人々がいて、彼らは同じにおいを
嗅ぎつけて自然発生的な集合をつくる。限られた人数の小さな共同体なので、
恋愛関係の組み合わせにも限りがある。それだけのことだが何が不思議なの
だろう。
 社会学者は恋愛という個人的な問題が苦手なのかしら?

     (桜井哲夫『「戦間期」の思想家たち レヴィ=ストロース・
     ブルトン・バタイユ』 平凡社新書 2004初 帯 J) 

10月5日に続く~





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by byogakudo | 2016-10-04 20:59 | 読書ノート | Comments(0)


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