2016年 11月 01日

(4)J・G・バラード/監修 柳下毅一郎/浅倉久志 他訳『J・G・バラード短編全集1 時の声』まだまだ

e0030187_22492835.jpg












 写真は、旧岩淵水門帰りに会った猫たちの一匹。ご機嫌で
ごてんごてんする。

~10月31日より続く

 自分の分身を見ると死が近い、という説もあるが、分身が一人
どころか二人、三人と増殖して、しかも他者(観察者)にも本体と
間違えられる完璧なコピーで...というのが『恐怖地帯』。
 分身は姿形だけでなく、5分前の本人のしていた行動をコピーする。
この場合の分身は、空間的存在ではなく、時間のズレによる発生__
フラッシュバック的分身__だ。

 『エスケープメント』も時間の話。夜、家でTVを見ていたら、番組が
同じ箇所をリピートしているのに気づく。9時前後を何度となく繰り返し
ている。夫はそれに気づき、気づいたことでこのループから外れたが、
今度は妻がループに搦め捕られる。まるで伝染病みたいな時の環だ。

 初期のJ・G・バラードは、ずいぶんSFぽかったのだと、『短編全集1』を
読みながら発見(?)する。『ヴァーミリオン・サンズ』的バラードが好き
なので、あんまりSF作家だと思ってなかったけれど、ハードSFみたいな
ところもあったのか。

 『短編全集』がつつがなく刊行されていったら、『第三次世界大戦秘史』
に収録されていた短編も、また読める。絶対的に大好きとまで言えない
作家だったし、売る本に困ってもいたので棚に出したが、再読したいなと、
いま思う。

     (J・G・バラード/監修 柳下毅一郎/浅倉久志 他訳『J・G・バラード
     短編全集1 時の声』 東京創元社 2016初 帯 J)

11月3日に続く~





..... Ads by Excite ........
[PR]

by byogakudo | 2016-11-01 21:54 | 読書ノート | Comments(0)


<< ロバート・キャンベル(R・ライ...      (3)J・G・バラード/監修 ... >>