猫額洞の日々

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2016年 11月 09日

(2)ロバート・キャンベル/東江一紀 訳『鮫とジュース』読了

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 写真は11月3日(木)の散歩地、玉川上水・ゆずり橋の後で歩いた
和田堀給水所脇の、お家の門。つまり2008年4月25日で説明し、
写真は4月26日に出したモッコウ薔薇のお宅。

 この一郭の別棟の写真は2008年6月2日に上げたが、今回見たら、
壁面装飾の下部がなくなっていた。

 柵越しに見る和田堀給水所の築山のある方は、全部壊されていた。
城塞みたような貯水池はまだ残っているようだ。こちらだけでも保存
できないか。

~11月8日より続く

 『鮫とジュース』の基本的社会観は、二度に渡って概括される。

<あらゆる社会は、特に、不法なやり口や闇商人が労働組合の経理
 を牛耳(ぎゅうじ)り、警察や裁判所を買収し、合法的な企業をゆすり、
 弱者を恐喝し、収奪している大都市は、腐敗した政治家と強欲な実業家
 と凶悪な暴力組織が手を握り合うことで運営されている。かつては、
 時勢や都市の条件に応じて、その三者が交替で支配権を握っていた。
 今では、三者を識別するすべはない。誰かが言ったように、善玉も
 悪玉もいないのだ。みんながビジネスにいそしんでいる。>
(p195~196)

< 組織犯罪は、企業体に似ている。一族の絆(きずな)や近所付き合い、
 学閥などを土台に発展していく点は、おびただしい数の自動車製造業者が、
 やがて三つの巨大企業といくつかの小企業に統合される過程と、たいして
 ちがわない。外国からの輸入車が幅をきかせ始める前の話だが......。価格
 協定を結んだ石油会社や、国内を小さな縄張りに分割して共存を図る同業
 連盟とも、たいしてちがわない。
  都市を手中に収め、公職を仲間うちで分配しようとする政党とも、
 たいしてちがわない。>(p318~319)

 せち辛いを通り越したシヴィアな世の中にうごめく、大小悪党たちのデッド
ヒートを、淡々と描くのどかな(?)ノアール。ひどい暴力シーンも、腐敗した
政治家の性的指向も、等距離に同じ筆致で、小さくつましく描かれる。
 ここには、巨悪も小悪もない。悪に於いては、すべてが平等に悪であり、
相対化・平均化された水準に在る。

     (ロバート・キャンベル/東江一紀 訳『鮫とジュース』
     文春文庫 1993初 帯 J)
 

 選挙戦終了間際の10月28日になって、ヒラリー・クリントンのメール問題を
蒸し返したFBIのコミ−長官は、功績を愛でられ、トランプ政権の中枢に納まる
のだろうか。世界中が安倍晋三化している、末期(まつご)資本主義の時代。





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by byogakudo | 2016-11-09 21:08 | 読書ノート | Comments(0)


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