猫額洞の日々

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2016年 11月 29日

(2)ロバート・キャンベル/東江一紀 訳『鰐のひと噛み』読了

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 写真は11月17日、浜町公園で。そういえば、公園からまた水天宮
方面に向かったとき、cafe tabacといえばいいのか、そんな感じの
お店があって、左手の窓近く、Sも見たことがないというサンバースト
のギターが壁に掛けられ、窓にはレオン・ラッセルのLPジャケットが
4枚、貼られていた。
 何屋さんだったのだろう?

 
~11月27日より続く

 鰐にかみ殺されたラテンアメリカ系の男の死体から始まった事件は、
中南米といえば、すぐ連想されるブツとの関わりに展開する。
 ジミーはいつもの、出しゃばるんじゃないよという仕打ちをされるが、
妨害をかいくぐって事件を解決、のパターンに捻りが加わる。

 終りの方で、ジミーは同棲中の恋人、メアリ・エレン・ダンと結婚する。

< 「......班長を続けてるのは、役人の椅子にしがみつくためじゃない。
 人間が好きで、近所の人に手を貸したいからなんだ。今どきこんなことを
 言うと、ひどくばかげて聞こえるだろうけどね。誰もが他人を押しのけて
 生きてるような時代に......」>(p117)
__ジミー(ジェームズ)・フラナリーのルックスはジェームズ・キャグニー
に似ていると書かれているが、キャラクター的にはむしろ、ジェームズ・スチュ
アートが演ったような役柄だ。

 恋人はひっそりした結婚式を望んでいたけれど、善行の報い、彼に世話に
なった人々、組織、全2000人近い客が市役所に集まる披露宴となった。
 結婚に先立ち、ジミーの父(母はすでにいない)と、エレンの母と叔母とが
顔合わせする。父と叔母さんの丁々発止なやりとりが、おかしい。

 ロバート・キャンベルの良さは、1980年代後半になっても、正義漢を
主人公にできる、その古風さではないかしら? 

 いちばん好きだったのは、受け持ち地区ではないが、ハイチからの
難民女性に頼まれて彼女のアパートに行った、屋上での場面。

< 僕は階段をのぼって、屋上に出る。タールがぶくぶく泡を立てて
 いるところも、その上を歩くために板が渡されているところも、僕の
 アパートの屋上にそっくりだ。何もかもがガラスの中に押し込められて
 しまったような、昼と夜の境目の時間。クリスマスによくもらう透明な玉
 のようだ。手で振ると、玉の中で雪片が舞い狂う。この時間の街は、あの
 玉に似ている。この暑さだから、さすがに雪は舞っていないが。>(p97)


     (ロバート・キャンベル/東江一紀 訳『鰐のひと噛み』
     二見文庫 1989初 J)





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by byogakudo | 2016-11-29 19:32 | 読書ノート | Comments(0)


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