猫額洞の日々

byogakudo.exblog.jp
ブログトップ
2016年 12月 22日

渡辺紳一郎『紳一郎捕物帳 その他』読了

e0030187_20583458.jpg












 サブタイトルに『その他』とあるが、全7篇中、捕物帳とミステリ
が3篇、ピラミッドとポンペイなどの古代遺跡発掘の話が1篇、あとの
二つは、ときどき恨み節混じりの自伝風エッセイ。小説もエッセイも
蘊蓄満載だ。

 文明開化期の明治を舞台にした『泰西名画事件』と次の『保里士
(ポリス)隊異聞』だが、2篇とも銭形平次のパロディであり、後者に
至ってはメタ捕物帳である。
 巻末の『随筆形式による探偵小説』は、1954年4月『宝石』に発表
された。ピストン堀口の事故死から展開するミステリの、シナリオ風
1篇。

 賢すぎて周りの馬鹿さ加減に我慢ならなくて、つい能ある鷹である
ことを見せてしまう__と、本人も自覚している__ので、出世街道
から外れてしまったのを、ときどき愚痴る。
 もっと後代に生まれていたら、博識で軽妙なエッセイスト・コラム
ニストとして場を得て、本人も納得していたかもしれないが、明治の
固い家庭育ちだと、そうもいかないのか。
 渡辺紳一郎が1900年生まれ、荷風は1879年生まれ。荷風が異常に
アウトサイドしているのだ。

     (渡辺紳一郎『紳一郎捕物帳 その他』 四季新書 1955初 J)


 昨日、書き忘れたけれど、歌舞伎座の先の各種チケット販売所に
「シャセリオー展」の案内があった。クラーナハに続く、西洋美術館
のヨーロッパ美術史見直しだろう。行くつもりだけれど、上野界隈の
必死なル・コルビュジエ=世界遺産!売込みがつらい。
 10年前に"世界遺産"登録されていたら、阿佐ヶ谷住宅だって壊されない
ですんだ、かなあ? 世田谷区役所を壊す前に、よくよく考えてもらいたい。





..... Ads by Excite ........
[PR]

by byogakudo | 2016-12-22 22:30 | 読書ノート | Comments(0)


<< (3)飯田泰三・山領健二 編『...      (2)桑原弘明展~ツァイト・フ... >>