2017年 01月 04日

梶山季之『カポネ大いに泣く』読了

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 感じがよくって好きな梶山季之だけれど、これはあんまり楽しめなかった。
ハワイやアメリカ本土、メキシコへの日本人の移民史・資料紹介、みたような
記述がまずあって、その上で、昔ならば"快男児"と呼ばれる種類の男たちの
活躍というか無茶苦茶な行状が描かれる__たとえば表題作では、日本男児が
アル・カポネを上回る無茶ぶりを見せる__が、資料の解説部分と、波瀾万丈
物語部分との融合が、あんまりうまく行ってないみたい。
 資料の舞台化(世界化)が不十分なので、物語と資料とが別々なまま、物語が
進むように感じた。風太郎の明治ものと比較しては、どちらにも失礼だろうが。

 小説としては疑問があるけれど、シノプシスとしては脚色しやすくて、だから
映画化されたのだろうが、見てなかった。木村威夫・美術監督のデザインは
見てみたいな。

 常盤新平『アメリカン ジャズ エイジ』以来、20世紀前半(1920年代から
40年代辺り)が舞台のミステリやエッセイをよく読んでいるような気がする。
 現在に至る近代、戦争の時代でもあるが。


     (梶山季之『カポネ大いに泣く』 角川文庫 1984年3版 J)





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by byogakudo | 2017-01-04 21:08 | 読書ノート | Comments(0)


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