2017年 01月 20日

(2)マイクル・イネス/桐藤ゆき子 訳『ある詩人への挽歌』読了

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~1月17日より続く

 うーん、本格ミステリ。堂々としてる。でも、こんなに細かく輻輳しなく
ても、いや、情景描写とトリックとの絡みで複雑になってしまう、という
ことかしら?

 スコットランドの荒れたお城の主たち(プロスペローとミランダに当る
のだろう、『テンペスト』未読だけれど)と、平地に住む(平民の)村人
や外部の来訪者たちとが、クリスマス前後に交錯し合う。

 山頂に孤独に立つ砦は、ふだんから低地の村とは隔絶している。
冬が来て雪深い現在、交通手段は途絶え、さらに孤絶する。そして
狷介な城主(いわば)が死亡する。彼の死への道程は、"ミランダ"
の恋と並走する。"ミランダ"は身分違いであり、家同士の因縁から
いえばロミオとジュリエット的関係の村の男と駆け落ちする...。

 そびえ立つ塔、閉ざされた部屋、荒れ果てた城内、気の狂れた
振舞を見せる城の主、恋ひとすじの"ミランダ"などなど、ゴシック・
ロマンな道具立ての中で進行する本格ミステリ。
 ほとんどが雪に覆われ、一章だけ灼熱の砂漠地帯での記録が
挿入される、コントラストの妙。すてきなんだけどな。もう少々、
簡素な仕組みであったらな。
 本格ミステリ・ファンでないのがいけないのでしょう。


     (マイクル・イネス/桐藤ゆき子 訳『ある詩人への挽歌』
     現代教養文庫 1994年初版2刷 帯 J)


呪 吐爛腐/呪 心臓亜屁/





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by byogakudo | 2017-01-20 20:25 | 読書ノート | Comments(0)


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