猫額洞の日々

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2017年 04月 25日

斎藤美奈子『あほらし屋の鐘が鳴る』読了__この体たらくへの道程

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 劣悪としか言い様のない2017年現在だ。安倍晋三が
北朝鮮の挑発を喜び、基本、対B29・竹槍訓練と何ら違わ
ない、気休め対処方法を示す。
 ミサイルが飛んで来たら大きなビルに逃げ込め? 落雷
じゃあるまいし。

 奇貨居くべし、というのか、人の褌で、というのか、固定
電話に携帯電話も加えた、新しい電話調査とはいえ、支持率
が上がったそうで。
 不人気のトランプが起死回生の先制攻撃をシリアや、ついでに
北朝鮮にしかけた、尻馬に乗って、という言い方もあるのか。
(なんだか、ことわざや四文字熟語の羅列だ。)

 共謀罪ことネオ治安維持法だが、「朝日新聞」が4月15、
16日に「組織的犯罪処罰法改正案」に対する賛成・反対は? 
と尋ねると、賛成が35%、反対が33%。
 2月に「テロ等準備罪」への賛否を聞いたときは、賛成44%、
反対25%だった。(共謀罪」ばらつく賛否、質問の文言も影響か 
報道各社世論調査

 なるほど、"テロ"のひとことをタイトルに入れるだけで受け入れ
可能らしい。内実、共謀罪なのに。治安維持法なのに。

 地上が始まるまで7日がかり、ローマも1日では成立しなかった。
この凄惨な状況だって、何年も何十年もかかって少しずつ準備されて
きた結果である。

 マガジンハウスから「pink」という女性誌が出ていたそうだ。知ら
なんだ。1996年5月から1999年3月まで刊行、全33冊。
 斎藤美奈子は33回の連載コラムを持ち、若い女性会社員の目線で
当時の大人の男性(ベビーブーマーである上司)をからかっていた。

< このコラムが連載されていた1996~99年は、[略]よくいえば
 まだしも平和な時代だった。当時の首相は自社さ連立内閣の橋本
 龍太郎、米大統領はビル・クリントン、東京都知事は青島幸男だった。
 といえば、その「退屈/平和」さ加減が理解してもらえるだろう。小泉
 純一郎(首相)+ジョージ・ブッシュ(米大統領)+石原慎太郎(東京都知事)
 という攻撃的なカードが出揃うのはまだ先で、ふりかえれば「嵐の前の
 静けさ」だったようにも思われる。>
(p13『おじさんマインドの研究』)

 朝日新聞社の雑誌「uno!」(こちらも知らない)での連載『女性誌探検隊』
とのカップリングで、1999年2月に単行本『あほらし屋の鐘が鳴る』(朝日
新聞社)刊行。
 2006年の文庫化に当たり(2006年現在の)脚注が施されている。

 2006年、今から11年前。1999年、今から18年前。1996年、今から
21年前。約20年がかりの体たらくなのだ。

 『おやじ慰撫史観 1996年秋冬』の『歌う爆弾娘 裏読みが笑える
"教科書が教えない歴史"』脚注である2006年1月P.S.は、

<「おやじ慰撫史観」は撤回します。これからはそうだな、「自虐史観」
 に対抗する「自慰史観」と呼びたいと思いますが、それでいかがでしょう。>
(p75)と結ばれる。

 『ダディの復権 1998年春夏』の『亡国五輪音頭 長野報道でわかった
日本が戦争に負けた理由』は、小林信彦のコラムを引用しながら、
スポーツ記事と戦争報道の相似性を語る。

 『バイアグラの波紋 1998年秋冬』の『カミカゼの行方 世界に向けて
紹介したい"ゴー宣"の戦争観』には、単行本時の追記/98年12月と
文庫版P.S.(2006年1月)が収録されている。

< この本で訴えられているのは、特に新しいものではなく、むかしから
 語り継がれてきた民族主義的国家観にもとづく、ごくありふれた幼稚な
 戦争肯定論です。新しいのは、それを思いきりよく単純化し、若者に
 受け入れやすいまんが形式にした点だけ。
 [略]
  いまの日本経済の状態を見ると、今後、「一億総中流」の豊かな状態は
 崩壊し、貧富の差は広がり、失業者が増え、経済的に疎外された若い層
 が拡大することが予想されます。そうした若い層が民族主義や軍国主義
 をよりどころにあばれだす([略])のは、これまでの歴史が示すところ。
 [略]
  こうした民意は国家の動静さえ左右しかねません(選挙だってあるん
 だからさ)。おどかすようですが、[略]統制経済を敷いちゃうような暗〜い
 社会がやってこないとも限りません。>(p227-228/98年12月)

<このとき書き加えた「経済的に疎外された若い層の拡大」が、フリーター
 問題、ニート問題として、その後、ここまでクローズアップされようとは、
 正直、思っていなかった。
  いまのところ彼らはわかりやすい暴徒と化してはいないけど、若者たちの
 イライラ感は、ネット掲示板などを媒介にした愛国的、他罰的なコミュニ
 ケーションにも表れているように思われる。しかし、こうしてみると、98年は
 まだ平和だったのだなあと改めて思い知らされる。米国同時多発テロ以前だし、
 当然ながら、イラク戦争など影も形もなかったわけだし。>
(p229/2006年1月)

 いまや、安倍晋三・類による汚染を、いかに除去して、生き延びるに値する
共同体を作り直すか、という悲惨で困難な状況にいる。


     (斎藤美奈子『あほらし屋の鐘が鳴る』 文春文庫 2006初 帯 J)



呪 吐爛腐/呪 亜屁沈臓/呪 共謀罪=ネオ治安維持法/





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by byogakudo | 2017-04-25 22:27 | 読書ノート | Comments(0)


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