猫額洞の日々

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2017年 05月 29日

(2)山田風太郎『風山房風呂焚き唄』読了+α

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[昨日の記事に追記あります。]

~5月27日より続く

 久しぶりに読んだ風太郎だけれど、文章が気持いい。のべつに
入れずに、ときおり差し挟まれる軽いヒューマー__、思わず
『秀吉はいつ知ったか』(ちくま文庫)を注文してしまった。

 『IV 風山房風呂焚き唄』は、「小説推理」1975年1月号から12月号に
かけて連載された。その『(11)』だから、11月号であろうエッセイより
引用。

< 自分の「規則」だけをふりまわし、強者には弱く、弱者には強いのが、
 お役人風というものである。
  しかし、[略]
  厨川白村(くりやがわはくそん)が、「日本人は民衆までが官僚風だ」
 と喝破したが、たしかに日本人は強者には情けないほど弱く、弱者には
 滑稽なほど強く、その際限がない。
  敗戦直後、[略]向こうが何もいわないのに、先を争って全国の忠霊塔
 をみずからぶち倒したお先っ走りの卑屈さが、強者に弱い好例だ。
 [注:忠霊塔で思い出した。宮崎市では"八紘台"を、名前を"平和の塔"に
 変えてそのまま建っていたが、我が実家では相変わらず(?)"八紘台"
 と呼ばれていた。]

 何か世にたたかれるようなことをやったとき、頭を下げればいっそう
 たたかれる。居直って、そっくり返っていれば、世の中のほうで黙り
 込んでしまう例が多いのを見てもわかる。
 [注:さては、安倍晋三・独裁政権は、風太郎のこの文章を参考にして、
 いま、危機管理に当っているのか?]

  弱者に強いという例は、無数にあるが__[略]戦時中技師として
 フィリピンにいた小松真一という人の「虜人日記」[略]に好例が
 あった。
  この日記は、[略]実に穏当かつ冷静な観察記だが、[略]
 フィリピン方面軍の司令官をやっていた和知中将のところへ挨拶に
 いったら、中将がちょうど軍服を着るのに従兵に手伝わせていた
 ところで、股ボタンまではめさせていたという話が書いてあった。
  マッカーサーだって、自分の軍服ぐらい自分で着たろう。げんに、
 捕虜になってからアメリカ軍を観察していると、食事時には佐官級
 まで、兵士と同様皿を持って行列していたという。日本軍が負ける
 はずである。
  威張り出すと、トメドがないのが日本人である。>(p330-331)

 "役人風"・"官僚風"とは、わたしが"マザコン夜郎自大・症候群"と
呼ぶ症状であろう。


     (山田風太郎『風山房風呂焚き唄』 ちくま文庫 2016初 帯 J)



呪 吐爛腐/呪 亜屁沈臓/呪 共謀罪=ネオ治安維持法/

<ほとんど典型的な独裁「国家」が、まるで戯画のように進行している。
 テレビや新聞の多くは、その戯画をあばいて批判するのではなく、
 戯画の中身になることを選んでいるので、戯画がすでに戯画でない
 「現実」になりかけている。広い意味での抗議行動が必須だろう。★>
(20:32 - 2017年4月9日)

<「強行採決」という醜い暴挙によって、「美しい国」どころではない
 独裁国家が盲進しようしている。市民とメディアのいっそう広汎な抵抗が
 なければ、おそまつな戯画は現実になり、最低のファシズム社会にいたる
 だろう。「自発的隷従」を拒もう。★>
(21:43 - 2017年5月18日)


<国連特別報告者で、「プライバシー権」担当のジョセフ・カナタチ氏
 (マルタ大教授)が、「プライバシーや表現の自由を制約するおそれが
 ある」として懸念を表明する書簡を安倍晋三首相あてに送った>その後、

<菅官房長官は「特別報告者という立場は独立した個人の資格で
 人権状況の調査報告を行う立場であり、国連の立場を反映するもの
 ではない」と強調>した。
[注:ごちゃごちゃ脇から言うなと、菅義偉がゴネた。]

 安倍晋三はG7で国連事務総長・グテレス氏と会って話した、という。
読売新聞では、
<グテレス氏は日本の国会で審議中の組織犯罪処罰法改正案
 (テロ準備罪法案)を巡り、国連人権理事会の特別報告者が懸念を
 伝える書簡を首相に送ったことについて、「必ずしも国連の総意を
 反映するものではない」との見解を明らかにした。>と伝える。
[注:小者が勝手に何か言ってる、と言わんばかりの"報道"だ。]

 しかし、国連のプレスリリースを和訳すると、
<「特別報告者について、事務総長は首相に、特別報告者は国連人権
 理事会に直接報告をする独立した専門家であると説明しました」 >
とだけ書いてある。

 慰安婦問題の件でも、
<日本の報道と、国連事務総長のプレスリリースの内容が明らかに、
 食い違っています。>

< 10分間と言われる会談は、果たしてメディア公開で行われ、
 メディアは内容を全部聞いたうえで、独自の取材により報道した
 のでしょうか。

  もしくは、Japan Timesが引用するように、会議の
 内容を後で伝えた外務大臣からの情報をそのまま、真実として
 報道したのでしょうか。

  後者が事の真相であり、かつメディアが国連事務所に裏取りも
 せず、独自取材もなく、外務大臣の言を鵜呑みにしているのだと
 すると、やはりちょっと怖いですね。

  結局話が食い違うなか、どちらの言っていることが正しいのか
 わかりませんが、もし政府の言うなりに報道してしまった、となると、
 これはそれこそ、大本営発表というものではないのでしょうか。>
(国連事務総長と安倍首相会談に関する報道に疑問 特別報告者・
共謀罪について、食い違うプレスリリース。
)





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by byogakudo | 2017-05-29 21:24 | 読書ノート | Comments(0)


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