猫額洞の日々

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2017年 06月 27日

(3)松葉一清『集合住宅』から(1)山口由美『箱根富士屋ホテル物語』へ

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 集合住宅の次はホテルだ、というわけではないが、山口由美
『箱根富士屋ホテル物語』を読み始める。

 集合住宅とホテルが、わたしの好きな居住空間だ。共有または
共用する空間が好きなのだろうか? 戸建てに興味がないのは、
いまの戸建て住宅が貧しすぎるからだ。下町の長屋だって庭は
ないが、路地に面した軒先は通る人の目も楽しませる、園芸空間
(共有可)である。住宅地の新建材・戸建てにも多少の植栽は
あるが、まず目に入るのが"自家用"車、というのは寂しくないか。

~6月26日より続く

 昨日、私有の反対が即・共有にはならない、と書いた。もう少し
書きたい。

 ファミリーレストランのメニューに、「シェアしませんか」と謳い
文句付きで、ひとり分ではなく二、三人分のサラダやおつまみが出て
いる。数人で行けば、プラス一品、余計に頼むときもあるだろう
("シェア"ねえ。広告代理店用語の響きがする)。レストラン側の
レシートには、頼んだ料理だけでなく、人数や性別、なども読み
取れるようにしてあるのだろうか。
 近所にはカーシェアリングの駐車場もよく見かける。借りたひとが
どこに行って帰って来たか、データは当然残る。
 スーパーマーケットでもコンヴィニエンスストアでも薬局でも、同じ
一枚のポイントカードが使える。貯まったポイントで支払いもできるが、
何を買ったかが記録される。ビッグデータとして匿名化される前に、
個人の購買履歴として、まず記録される。わたしは商品購買履歴を
企業に売って、ポイントという貨幣に変換し、新たな消費行動に移り...、
ん、消費は労働の一種なの?!

 "共有"が結局、資本の"私有"に帰する。わたしたちは結局、消費者として、
ただのデータとしてしか存在できないのか、という絶望だ。大げさな、って
言われるだろうが。


     (松葉一清『集合住宅__二〇世紀のユートピア』
     ちくま新書 2016初 帯 J)


 箱根富士屋ホテル・創業者一族の末裔、山口由美による
『箱根富士屋ホテル物語』では、外国人専用ホテルだった
頃の滞在客を調べるために、ホテルのレジスターブックを
開く。

<残されたサインを追っていけば、いつ、どんな人が、どこの
 部屋に泊まっていたのかがわかる。何度となく登場している
 サインも多い。
 [略]
 富士屋は[略]外国人にとって、サロンのようなものであった
 らしい。
  そして、その中心的人物がチェンバレンだった。レジスター
 ブックに最も多く登場する名前の一つでもある。>
(P89-90『王堂文庫』『II 箱根山に王国を築く__仙之助』)

 ホテルのレジスターブックもデータ集である。顧客名簿の筆頭項目
である。サブの名簿には顧客それぞれの好みがノートされ、宿泊を
重ねる毎にデータは累積してゆく。後代には、このように資料として
活用される。

 このような小さなデータ集は承認できて__顧客データは良い
サーヴィスに不可欠だ。__、いまの世界的企業による大規模な
データ収集を、あずましくないと感じるのはなぜなのか。
 量が質を変容させる作用に、どうしても納得できない違和感を、
ずっと抱いているからなのか。
 かといって、わたしは"肉親"とか"家族"といった遺伝子ベースの
小単位に深い信頼感なぞ抱けないのだが、ただ広漠たるシーンを
思い浮かべると、とっかかりのない心もとなさに途方に暮れる。


     (山口由美『箱根富士屋ホテル物語』
     小学館文庫 2015初 帯 J)



呪 亜屁沈臓/呪 共謀罪=ネオ治安維持法/呪 吐爛腐/

 共謀罪強行成立記念! 安倍政権の暴挙を忘れないために振り返る
「共謀罪トンデモ答弁・暴言録」


 【票を入れるな危険】日本会議所属の都議候補一覧

 小池百合子氏 日本会議“本流”から外れた愛国者

 「共謀罪」法 衆参両院議員の投票行動

 上記のPDF





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by byogakudo | 2017-06-27 20:49 | 読書ノート | Comments(0)


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