猫額洞の日々

byogakudo.exblog.jp
ブログトップ
2017年 06月 29日

(3)山口由美『箱根富士屋ホテル物語』もう少し

e0030187_13451379.jpg












~6月28日より続く

 "ノンフィクション"と呼ばれる評伝の書き手には、対象との
微妙な距離が必要だ。つかず離れず・遠慮せず。
 可能な限りの資料を集め、精査しても、それで"書ける"わけ
ではない。人物評伝なら、対象が存命かどうか。遺族や関係者
の生死。それらはやはり書き方に影響する。
 微妙というより絶妙な距離感覚を保ち続けられるかで、仕上がり
が決まるだろう。

 日本のホテルは、明治維新以後、外国人のための宿泊施設として
始まったが、ホテルという施設は、建物(ハード)に経営者の個性
の息(ソフト)が吹き込まれなくては動き出さない。

 箱根富士屋ホテルの初代・山口仙之助は、開化(1860年頃)の
横浜の遊廓、「神風(じんぷう)楼」の養子であった。この話は
ホテルの正史『富士屋ホテル八十年史』ではタブーである。敢えて
書けるのは、著者が直接の血のつながりはないが、仙之助の子孫で
あること(タブーにも遠慮せずに踏み込みやすい立場)と、100年
以上前の話であること、そして富士屋ホテルが、もはや創業家の手
を離れた存在である、からだ。
 絶妙な距離からのレポートである。

 二代目、山口正造。わたしにとっては、"We Japanese" の山口
正造。日光・金谷ホテルの創業者の次男が、山口仙之助の長女の婿
養子になり、二代目として腕をふるう。

 しかし今の時代、"婿養子"って、どの程度、理解されるのだろう?
核家族で育ち、周りも同じように両親+子どもの家庭しか見当らない。
わかるだろうか、"婿養子"?
 日本の職業の歴史では"家業を継ぐ"形態の方が長い。家業を伝えて
ゆくにはその業にふさわしい子孫が必要で、遺伝子継承者である息子が
ふさわしいとは限らない。不適格なら婿養子を取る。それなりに合理性
のあるシステムだが、"家業"から"会社組織"へと資本主義的発展をした
時代、核家族化した時代とは、ずれが生じる。


     (山口由美『箱根富士屋ホテル物語』
     小学館文庫 2015初 帯 J)

6月30日に続く~ 
 
 

呪 亜屁沈臓/呪 共謀罪=ネオ治安維持法/呪 吐爛腐/

 共謀罪強行成立記念! 安倍政権の暴挙を忘れないために振り返る
「共謀罪トンデモ答弁・暴言録」


 【票を入れるな危険】日本会議所属の都議候補一覧

 小池百合子氏 日本会議“本流”から外れた愛国者

 「共謀罪」法 衆参両院議員の投票行動

 上記のPDF





..... Ads by Excite ........
[PR]

by byogakudo | 2017-06-29 21:56 | 読書ノート | Comments(0)


<< (4)山口由美『箱根富士屋ホテ...      (2)山口由美『箱根富士屋ホテ... >>