猫額洞の日々

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2017年 07月 03日

(2)小鷹信光『翻訳という仕事』読了

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~7月2日より続く

 自分の仕事のやり方を記した、翻訳家になりたい人のための
ハウツー本であると同時に、小鷹信光の自伝でもある。
 翻訳家は職業として成り立つのか、という話でもある。

 小鷹信光は最初は出版社勤めをしながら、夜、オフの時間に
翻訳の仕事をしていたが、戦後復興、所得倍増計画の時代の波に
乗れた。
 生活費は給料だけでまかなう。原稿料はすべて貯金して、1968年、
31歳で土地付きの家を建て、生活ベースを確保。翻訳から派生して、
当時のアメリカ風俗の紹介や、翻訳者養成学校の講師など、仕事が
広がるが、ほぼ原稿書きだけで生きてきた。だから原稿料や印税に
シヴィアだ。

 日本の作家に支払われる印税率は10%、日本語・翻訳者の印税率
は8%だそうである。(単行本『翻訳という仕事』がプレジデント社
から刊行されたのが1985年だから、その頃の相場。)

<印税率を下げてほしいという出版社からの要請もよくある。それは
 売れっ子の原著者に支払う条件が高すぎて、従来のコスト計算から
 すると極端に高価な本になってしまい、そのために、翻訳家に泣いて
 もらうという場合だ。簡単にいえば、本国でベストセラーになり、
 翻訳のための版権の落札に日本の出版社が数多く群がり、思わぬ
 高値で契約を結んでしまった。必然的に本のコストは上がる。しかし、
 向こうでベストセラーになったぐらいだから、日本でも売れる確率は
 高い。数が多くでるはずだから、翻訳家も、通常のレートより若干
 印税率は低くても文句はいわないだろう__という出版社側の理屈
 である。
 [略]
  これは筋の通らない話だ。「そんなに売れるのなら、お互いに大いに
 儲けましょう」というのが本筋ではないだろうか。
 [略]
 印税率は翻訳家としての職業がよって立つところ、わずかな自己主張
 が可能な唯一のものだから、みだりに譲ってはいけない。印税率は
 翻訳家の権利であり、翻訳家として仕事をやるうえで、絶対に保持
 しなければならない最低条件である。
 [略]
 たくさん売れれば、出版社のほうが儲けの率はいいわけだし、印税率
 を下げるということとは何の因果関係もない。印税ではなく、買いきり
 の原稿料で単行本の仕事をする(させる)のも、私にいわせれば翻訳家
 の権利の放棄(あるいは侵害)である。>
(p154-155『第三章 職業としての翻訳業』)

 正論だけど、いまはどうなってるのだろう?

 最後に『付録』の章がある。エンタテインメントを日本語の世界で
記すための技術あれこれが、ランダムに書いてある。すごく失礼/無礼
な言い種だけど、彼の好き嫌いだけで、翻訳行為を一般化した方法論、
技術論ではない。
 『翻訳のコツ』の『翻訳のイロハ』『直訳調を避ける』の、

< ● 原文が透けて見える 
  「彼にとってこの家は半ば妄執に近いゴールだった」
  ここまで原文が透けて見えると、ただお見事としかいいようが
 ない。しかし、これが日本語だろうか。せめて「夢にまで描いた
 念願の家」としたい。>(p195)

 異議あり! 最初の翻訳は、日本語表現を拡張させるが、小鷹訳は
...たんに陳腐?


     (小鷹信光『翻訳という仕事』 ちくま文庫 2001初 J)



呪 亜屁沈臓/呪 共謀罪=ネオ治安維持法/呪 吐爛腐/ 

 小池百合子率いる都民ファーストが都議選を奪首したことを
受けて、
<ジェネリック自民のエア代表というすごいものを見た>
(20:23 - 2017年7月2日)という批評。

<小池百合子が代表になるまで都民ファーストの代表を
 していた野田数(小池百合子の特別秘書)は、2012年に
 『大日本帝国憲法の復活請願』というものを都議会に提出
 した人。>
(3:48 - 2017年6月14日)

 都民ファーストに投票した人々は、まさか小池百合子をリベラル
と勘違いしている? 

 共謀罪強行成立記念! 安倍政権の暴挙を忘れないために振り返る
「共謀罪トンデモ答弁・暴言録」


 【票を入れるな危険】日本会議所属の都議候補一覧

 小池百合子氏 日本会議“本流”から外れた愛国者

 「共謀罪」法 衆参両院議員の投票行動

 上記のPDF





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by byogakudo | 2017-07-03 21:49 | 読書ノート | Comments(2)
Commented by saheizi-inokori at 2017-07-04 09:44
さらに続く、ですね。
Commented by byogakudo at 2017-07-04 20:40
TVのニュースショーが安倍晋三・批判に舵を切った
様子があさましく/痛々しい。


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